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校庭に盛大な破裂音が響き渡った。
『さあ各団一斉にスタート！やはり好スタートを切ったのは、1年生ではなく3年生を第一走にしてきた青団と黄団！コネシマ対シャオロンの戦いですね！続き後ろに赤団緑団！』
『おっ？シャオちゃんのほうが若干速い？シャオチャァン、ふぁいとっ！♡』
『おっと！大先生の声にシャオロンが突然のペースダウン！黄団から放送席に猛烈なブーイングがきています！大先生死ね！さあここでコネシマが巻き返すか！と思ったがコネシマ！笑いを堪えなくてはならずあまり差がつかない！後ろから迫り来るは赤団の1年生！そしてこっちにガンを飛ばしてくるシャオロン！』
「お前ら真面目に走れ！」
勝負の命運をわける運動会の選抜リレーはそんな腑抜けたスタートに始まった。
途中、2位3位の順位の入れ替わりもあったが、基本的には赤団、青団、黄団、緑団の順。
ポテンシャルは高くないが黄色い応援の力で120%の能力を発揮している赤団は不動の1位。
基礎能力が似たり寄ったりで順位が頻繁に入れ替わっていたのが青団と黄団。だが中盤、黄団のバトンパスのミスにより青団は2位に固定となる。2位3位の間は結構離れてしまっていた。
4位の緑団は平均値が他と比べて劣っているらしく、チームワークの良さで大きく離されはしないものの4位から動くことはなかった。
「この順位のまま、俺らやろうな」
「多分な」
首を伸ばしてトラックを見渡し、冷静に分析する。ミスでもせん限りは順位が狂うことはない。俺らの順番まではあと2人か。
「……トン氏、力を発揮するのに必要なもの、お前はなんだと思う」
「なんやいきなり」
「緊張ほぐすためだよ」
緊張なんてしてないくせによう言うわ。トラックに沿って進む走者を見つめる彼からは、不安なんて微塵も感じられない。
必要なもの、と聞かれて俺が真っ先に思い浮かべたものはとても口には出せなかった。
だから俺は「執念ちゃう？」と当たり障りのない無難なことを言った。しかし彼は、「それよりも上があるんだよ」と一瞬だけこっちを見て笑い、そしてまた走者に視線を戻して話を続けた。
「声援だ」
……言ったことの意味がよくわからなくて、素で固まった。
「……なんやねんその、こいつなにらしくないこと言うてんねんみたいな顔」
「そのまんま思ってますよ。あんたにしては非科学的な」
あのなあ、と彼がため息をついたところで、先ほどまで走っていた走者が目の前に到着したので、俺らは誘導の係のやつに急かされてトラックにあがった。
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もちえもん(プロフ) - 雛菊さん» はい！どの作品も言い回しや話の切り方、設定など参考になりますし大好きなので楽しみにしております〜(*´▽｀*) (2017年5月21日 9時) (
レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - もちえもんさん» もちえもんさん！いつも本当にありがとうございます！上手く回収できていたら嬉しいです（笑）最近設定が重すぎたのでかる〜いものを書こうと思います〜 (2017年5月21日 9時) (レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - 2度目のコメントですみません、本当に！素晴らしいお話をありがとうございました！！展開が読めず、更新される度にどうなるのかとワクワクしたものです。｢太陽を掴んだ｣という言葉が最初から読んできた身としてはたまらなかった…。ゾム楽しみですぅ…m(_ _)m (2017年5月21日 0時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - もちえもんさん» あああどうもありがとうございますご贔屓にして頂いて……！言葉選びは好きで試行錯誤をしていることなので、褒めて頂けて嬉しいです（泣）創作は切磋琢磨が1番だと思うので拙いながらも参考になるのであればどうぞご遠慮なく！こちらこそよろしくお願いします。 (2017年5月15日 1時) (レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - お世話シリーズから何度も繰り返し読ませていただいていますが素晴らしいです、本当に。どの話もど好みで今書かれている話も本当に好きです。言葉の選び方が本当に大好きです。参考にしたいですが私の文章力では程遠い…！これからも愛読させていただきますm(_ _)m (2017年5月15日 1時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛菊
| 作成日時：2017年5月4日 9時
