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「にしてもこんなにわかるなんて……流石トントン……！」
当たり前やんけ。お前が何にときめいてんのか近くで見とったんやから。
「あっ！まさかトントン！」
「うお！」
突然、ノートを机に置いて迫ってきた真城に、俺は体を仰け反らせた。いやに真剣な顔をしている。……バレた？いや、まさかそんなはず。
俺は彼女の目を見て、最悪の事態を想定しながらごくりと息を飲んだ。
「…………グルちゃんのこと好きなんじゃ」
「アホぬかせ！！！」
せやろな！そんなこったろうと思ったわ！
真城はうそだあとかおかしいなあとかぼやいてる。おかしいんはお前のその思考回路や。
「生憎と憧れの的すぎて身の程知らずにも恋心抱く人とかいないからな〜ライバルが少ないのはいいんだけど〜」
腕を伸ばして机を抱えるように項垂れる真城を見てあからさまにため息をついてやった。
「同じ気持ちの人がいたら心強いのに、」
同じ気持ち、か。
ふとある考えに至って彼女が言った台詞を心の中で呟いた。
「……同じ気持ち言われたら俺もそうや」
「えっ」
あの人みたいに度胸がない俺は蚊の鳴くような声でぼやいたはずなんやけど。でもこの距離やし、そら聞こえるわ。
「……あのー、なんか勘違いしてはりますよね？なんすかその目」
「トントンやっぱり……」
「違うつってんだろいい加減にしろ！」
まずいものを知ってしまったと腫れ物を見るような目で見られたから、またも声をはりあげる羽目になった。
「あの人のことは友人として慕ってるから、お前と同じようにかっこよさはわかるわって話」
呆れを目一杯露わにした声で言う。
全部が全部嘘ってわけじゃない。半分嘘で半分本当だ。俺と真城が同じなのは、本当。
「なるほど！じゃあトントンと私は焦がれるもん同士ってことだ！」
「上手いこと言うたと思ってる？」
「えっ、違う？」
「まずまず」
「関西人の判定厳し」
けらけら笑う彼女の笑顔にやっぱり俺の好きな淡さはない。グル先生やないとあかんねやろなあ。俺もあんたみたいに魅力がたくさんあったら、あんたみたいに真城笑わせられたんやろうか。なんて、気軽に名前を呼ぶ度胸すらない俺にグルッペンに挑む度胸があるわけあらへんのやって。ちょっとぐらいわけてくれたっても良かったんやで？あんたのその度胸。
1人は彼の熱に焼かれて恋焦がれて、
1人は彼の輝きにあてられて憧れて、
太陽はそんな全てに知らん顔して今も外で俺らを燃やしていた。
最近、憎たらしくも羨ましいあいつを見る時間が長くなった気がする。どうやら夏ももう近い。
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もちえもん(プロフ) - 雛菊さん» はい！どの作品も言い回しや話の切り方、設定など参考になりますし大好きなので楽しみにしております〜(*´▽｀*) (2017年5月21日 9時) (
レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - もちえもんさん» もちえもんさん！いつも本当にありがとうございます！上手く回収できていたら嬉しいです（笑）最近設定が重すぎたのでかる〜いものを書こうと思います〜 (2017年5月21日 9時) (レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - 2度目のコメントですみません、本当に！素晴らしいお話をありがとうございました！！展開が読めず、更新される度にどうなるのかとワクワクしたものです。｢太陽を掴んだ｣という言葉が最初から読んできた身としてはたまらなかった…。ゾム楽しみですぅ…m(_ _)m (2017年5月21日 0時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - もちえもんさん» あああどうもありがとうございますご贔屓にして頂いて……！言葉選びは好きで試行錯誤をしていることなので、褒めて頂けて嬉しいです（泣）創作は切磋琢磨が1番だと思うので拙いながらも参考になるのであればどうぞご遠慮なく！こちらこそよろしくお願いします。 (2017年5月15日 1時) (レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - お世話シリーズから何度も繰り返し読ませていただいていますが素晴らしいです、本当に。どの話もど好みで今書かれている話も本当に好きです。言葉の選び方が本当に大好きです。参考にしたいですが私の文章力では程遠い…！これからも愛読させていただきますm(_ _)m (2017年5月15日 1時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛菊
| 作成日時：2017年5月4日 9時
