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「超気合い入れてさあどっからでもかかってこい!って思ってたら、まさかの相手丸腰で!」
「丸腰て……」
「もう言葉遣いがムードも何もないなぁ」
「マンちゃんは黙ってて!そんで前から気になってましたって告白されたの!ねえねえすごない?すごない?私告白とか初めてなんやけど!」
1番近くにいたシャオロンは彼女が拳を握りしめて意気揚々と迫ってきたため首をぶんぶん縦に振っている。なんや赤べこみたいやな。
告白初めてて、確かに校内であんだけ暴れてちゃそら当たり前なんやけど。
理由は他にもう1つある。
そして何よりもその理由が厄介なのだ。
「おうゾム、お前ぬかったな」
「……うるさいねん」
あんたさっきまでAの隣おったのになんでもうそこにいるん……
恐る恐る当の本人のほうを見るとそこには、ポケットに手を突っ込んで足組んで座るゾムと、そんなゾムに向かって机を挟んで笑みを浮かべるグルッペンがいた。
「流石に1年生はノーマークだったんやろ」
「グルさん、まさかあんたがけしかけたんとちゃうやろな」
「さあな?」
「…………」
ゾムは無言でグルッペンを睨みつけるが、グルッペンはその視線を物ともせず腕を組んで不敵に笑う。
2人の間にはチリチリとした不穏な空気が流れていて華々しい学生生活の一部である昼休み中とはとても思えなかった。
……そして同時に自分がこの一員だと思いたくもなかった。
「……加担してるんやったら、俺もそれなりの行動はとらせてもらうで」
ゾムがグルッペンを見据えたままガタリと立ち上がる。
おいおい、ここで乱闘は勘弁してくれよ……
「俺としては構わんがそれよりお前、あれ止めんでええの?」
グルッペンがあれ、と指差した方向に目を向けるとそこにはめっちゃ笑顔でシャオロンの手を握りしめながら告白の感動を語っているAがいる。
こころなしか、なんとなく、ほんの少し、シャオロンの頰が赤みがかっているように見えるから多分ゾムの目にはたいそう赤くなっているように見えてるんやろな、はは。
「…………」
それを見てゾムは最早隠しもせずドス黒いオーラを身に纏って不機嫌になった。
「ちょお落ち着き」という大先生の静止の言葉も聞かず、彼はそのままAにつかつかと歩み寄っていく。
「あ、ゾム…….」
横に来たゾムを見て、彼女はシャオロンの手を放して彼に向き直った。
キラキラした笑顔がどうだと言わんばかりに100ワットぐらいの輝きを誇っている。
うん可愛らしいのはええんやけどな、今はそんな場合ちゃうねんて。
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もちえもん(プロフ) - 雛菊さん» はい!どの作品も言い回しや話の切り方、設定など参考になりますし大好きなので楽しみにしております〜(*´▽`*) (2017年5月21日 9時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - もちえもんさん» もちえもんさん!いつも本当にありがとうございます!上手く回収できていたら嬉しいです(笑)最近設定が重すぎたのでかる〜いものを書こうと思います〜 (2017年5月21日 9時) (レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - 2度目のコメントですみません、本当に!素晴らしいお話をありがとうございました!!展開が読めず、更新される度にどうなるのかとワクワクしたものです。「太陽を掴んだ」という言葉が最初から読んできた身としてはたまらなかった…。ゾム楽しみですぅ…m(_ _)m (2017年5月21日 0時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - もちえもんさん» あああどうもありがとうございますご贔屓にして頂いて……!言葉選びは好きで試行錯誤をしていることなので、褒めて頂けて嬉しいです(泣)創作は切磋琢磨が1番だと思うので拙いながらも参考になるのであればどうぞご遠慮なく!こちらこそよろしくお願いします。 (2017年5月15日 1時) (レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - お世話シリーズから何度も繰り返し読ませていただいていますが素晴らしいです、本当に。どの話もど好みで今書かれている話も本当に好きです。言葉の選び方が本当に大好きです。参考にしたいですが私の文章力では程遠い…!これからも愛読させていただきますm(_ _)m (2017年5月15日 1時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛菊 | 作成日時:2017年5月4日 9時