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「出来たぞ。シチューだ」
次は美味しそうな香りで目を覚ます。総統がシチューを片手で持ち、もう片方の手で私を起き上がらせてくれていた。ここは……ソファか。ていうかもう出来たのか。そういえば何がどこにあるんだと聞かれていたような気もする。意識がはっきりしてなかったからなんて答えたのかよく覚えていない。
「自分で食えるか？」
「大、丈夫、です、」
「大丈夫そうな顔して言えよ。ほら食え」
呆れたような笑顔も雑な台詞も、いつもよりもずっと優しいものだった。今の私はそんなにか弱そうに見えるのかな。
「……美味しい」
差し出されたスプーンを素直に口に含むと甘くて柔らかい口どけのシチューが口の中に広がっていく。総統には当たり前やろとドヤ顔された。つくづくハイスペックだと思う。私には不釣り合いすぎるほど。
「……総統はどうして私のことが好きなんですか」
「なんだいきなり。熱にでもやられたか」
「そういうことにしといてください」
総統がスプーンを一旦皿に置く。こんなに懇切丁寧に庶民的な看病をしてくれててても、この人は社長で、私はただの一般人なのに。
総統は私の表情を伺ってくるが、わかるはずもないだろう。私だってよくわからないんだから。思い浮かんだことを全く回らない頭で、無加工のまま荒い呼吸と一緒に吐き出しただけだ。総統はしばし沈黙した後、諦めたように口を開いた。
「お前、好きな色ってあるか？」
「ありますけど……」
「なんで好きなんだ？」
「……好きなもんは好きなんですもん」
「俺もそれで」
「え？っむぐ」
首を傾げると口の中に無理やりにんじんを突っ込まれた。
「好きなもんは好きなんだよ。こうして世話を焼きたくなるぐらい」
なにそれ意味わからん。と、にんじんをもしゃもしゃ噛みながら目の前で笑う男に思った。けど、ごくんと口の中のものを飲み込んでから私から出てきた言葉は、
「ずるい」
そのひとこと。私は総統から皿を引ったくってシチューを流し込んだ。なんか頭も体もぽかぽかする。ぬるま湯に浸かってるみたいな感覚だ。
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H2O(プロフ) - スパダリ総統たまらんです…思わずコメントしました失礼しました|ω･) (2018年5月11日 21時) (
レス) id: b0c2c544a7 (このIDを非表示/違反報告)
本田大和(プロフ) - 【鶴が恩着せがましい】の時から大ファンです(＊ﾟ∀ﾟ)ﾉｼ 雛菊様の描く大人っぽい総統も、悪戯っ子な総統も大好きです。更新楽しみにしています(*- -)(*_ _)ペコリ (2017年9月12日 8時) (レス) id: 877adbc8dc (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 恋桜さん» れのんちゃん度々ありがとう！毎回土下座して頭擦りきれないでね……！ (2017年9月10日 22時) (レス) id: 8cd2470719 (このIDを非表示/違反報告)
恋桜(プロフ) - 雛菊ちゃんの書くwrwrの皆さんが本当に好きです…！！！！！！(スライディング土下座) (2017年9月10日 21時) (レス) id: 848286cce8 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - ピポさん» いつもコメントりがとうございます。頑張ります……！ (2017年9月10日 19時) (レス) id: 8cd2470719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛菊
| 作成日時：2017年9月10日 18時
