【d】ぎすmemoGS【短編番外】

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ビデオが含みを込めた終わり方をしてぷつんと切れた。まああるあるやな。

「……ここにずっといるとか無しかな。」
「いてもいいと思うけど多分お前無理だと思うぞ。」
「なんで？」

俺は無言でロッカーを指差す。
Aは何の気なしに素直に俺の指差した方向を見つめる。


すると次の瞬間、ガタッという音がしてロッカーから学生服を着た血まみれの男が飛び出してきた。


「ウガアアアア！！！！」
「うえあああ！？！？」
「ほらな？」


Aが男に負けないぐらいの叫び声をあげて俺の手を掴んで部屋を飛び出した。
ずっとここにいられちゃ困るんだからまあ追い出し要員用意してるだろうな。

次の部屋に移動してバタンと引き戸を閉めたA。
少し深呼吸をしてから涙目で俺をキッと睨んだ。
逆効果なんだよなあ……それ。


「ほらなちゃう！！死ぬかと思った！！！」
「ほーそうかそうか。死にそうなら抱きついてええんやぞ？ほら。」

目の前でわざと両手を広げた。
Aは目の前に広げられた腕に反応して「あ、」と呟いて手を伸ばそうとした。そしてその手を自分で制してかぶりを振ってまた俺を睨み直す。

じゃあ大丈夫そうだから俺からはもう助けんし夜も1人で寝れるなと意地悪して聞けば、夜は堪忍してと間髪入れずにすがるような目で返事を返してきた。


な、なんだこの可愛い生き物……！


お化け屋敷を選んだ自分を心の中で賞賛し、今すぐにでもAを抱きそうな自分を必死に抑えた。

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