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「ハッ！」
「ん？」
彼は突然財布から顔を上げた。わざわざハッと声を出してしまうのは何かを思いついた時の総統の癖だ。
総統は輝いた目で少し虚空を見つめた後口元に笑みを浮かべてくるっと私のほうを見た。
「……なあなあA。」
……この笑顔は癖でも何でもなくよくないことを思いついた顔だ。
「……なんですか。」
「俺らこれデートしてるんだよな。」
「でっ！？──うわっと！！」
「動揺しすぎじゃないすかね。」
「ごめんなさいあまりにも総統の口から聞きなれない単語だったのでつい。」
手元から思わずアイスを落としそうになった。
「……これデートなんですかね。」
アイスをきちんと持ち直してから総統に真顔で聞く。
「恋人同士が2人で出かけてんだからデートだろ！」
「じゃあ仮にこれがデートだとします。何を思いついたんですか。」
「いやあ、デートといえばさあ───」
総統はすすすと体をゆっくり後ろに仰け反らせ、自分の左側を見ろというように親指で指した。
なに？映画館か何か─────
『超震える！お化け屋敷ランキング全国3位！』
「やだ！！帰る！！！！」
「おいおいおいちょお待てA、A、落ち着け！」
なんと見えたのはどうやら今まで総統に隠れて見えなかったらしいお化け屋敷ののぼり。
冗談じゃない！こいつ私がどれだけ苦手か知ってるだろ！
けれど総統は突然立ち上がった私の手を掴んで必死に引き止めた。
まあ座れ、な？と額に汗を浮かべて首を傾げてくる。
どうにも私はこの顔に弱い。私はしぶしぶ腰を下ろしてしまった。
「…………プレゼンをどうぞ。」
「ふむ、そうだな。」
総統は腕と足を組んで目をつぶった。アイスはもう食べ終わったらしい。
ここは大人らしくプレゼンで決めようじゃないか。
……私は何言われても折れるつもりないけどね！
「───行きたい理由は色々あるな。デートっぽいこと体験してみたい。Aの怖がってる姿を見たい。そんで笑いたい。」
「却下！」
考える時間を設けたところでやはり碌な理由が出てこなかった。流石に今回は総統の負けだ。
「でもやっぱ1番は────」
総統は静かに目をあけた。
「───！？」
そしてこちらを見たかと思ったらいきなり私のアイスを持っている方の手を引く。
アイスはあと一口で食べられるほどの大きさのコーンしか残っていないので溢れる心配なんてものはなかったがバランスを崩した私は総統に寄りかかるようになってしまった。
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雛菊(プロフ) - 美桜さん» 通知に気づかず返信が遅れてしまい大変申し訳ありません！2ヶ月以上も前に……（汗）読んで頂きありがとうございます！計算高いトントンはめちゃくちゃ気に入ってるので嬉しいです！ (2017年5月15日 1時) (
レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ヤバいヤバいグルさんも超格好良すぎだけど、トンさんの計算高い感じも格好良すぎぃ！ (2017年3月4日 8時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 酒呑童子さん» あああどうもありがとうございますうう！！ (2016年11月28日 13時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)
酒呑童子 - お化け屋敷のお話がすごく好きすぎて何回もハイルグルッペンしそうになりました...！これからも頑張ってください！ (2016年11月28日 0時) (レス) id: 31dd048566 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - テル＠コクさん» おおおここにまた我々の忠実な信徒がひとり！ありがたいお言葉です！！がんばります〜〜 (2016年11月27日 9時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛菊
| 作成日時：2016年8月26日 23時
