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つっかかってくる者もいない。ここにはもう用がないし帰るか。
さてと──────
生き残った女子供、そして警護兵と目があった。
警護兵がついてはいるが身なりからして高貴な家族ではない。幹部かそこらの奥さん、その子供、そして使用人の少年少女だろう。
肩を震わせて兵士が身構える。
1人の子供が小さく、「かいぶつ。」と呟いたのを奥さんが慌ててとめた。そんなに警戒しなくても危害を加えるつもりなんてないんだけどね、まあ仕方ないか。
ああそういえばと出先に部下に言われた嫁ぎ口の話が頭をよぎる。よくよく考えてみたら大抵残された女子供が「wrwrの軍団長の女やべえ」とバラまくので嫁ぎ口が減ることは確かだ。
「お騒がせしました。」
浅く頭を下げた。
二言も三言も言っても仕方がない。これだけ言って去ろう。
「うおあああああ！！！」
ん？
「やめなさい坊や！！」
顔を上げると前から迫ってくる1人の少年。
頭を下げるのだから少し予想はしていたけどまさか少年かあ……
ぼんやりとこっちに向かってくる年端もいかない少年を見ながら頭で分析をする。
手に武器はなし。仕込み武器をしまえるところもなし。体術に特化した体ではない。強い目の輝きと溜められた涙、そして握られた拳から察するにおそらく──────
「くそっ！！くそっ！！！！」
少年は私にぶつかってきて拳で胸を叩いてきた。
奥さんや兵士は私がこの子を殺すんじゃないかとヒヤヒヤしている。だけどこの子はおそらく賢い子だ。私が殺さないのをわかっていて、だからこそ苛立っているんだろう。立ち上がらない兵士、殺さない我々、そして殺してもらえるほどの力を私から引き出すことができない今の自分の無力さに。
君みたいな志を持った人が兵士なら、この戦いは変わっていたのかもしれない。
私は少年の頭をひと撫でした。
少年は強く強く、私を睨んできた。
「君が殺しに来るまで、生きててあげるよ。」
そう言ってその場を立ち去った。
この台詞言ったってバレたらまた大先生に怒られるなあ。
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雛菊(プロフ) - 美桜さん» 通知に気づかず返信が遅れてしまい大変申し訳ありません！2ヶ月以上も前に……（汗）読んで頂きありがとうございます！計算高いトントンはめちゃくちゃ気に入ってるので嬉しいです！ (2017年5月15日 1時) (
レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ヤバいヤバいグルさんも超格好良すぎだけど、トンさんの計算高い感じも格好良すぎぃ！ (2017年3月4日 8時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 酒呑童子さん» あああどうもありがとうございますうう！！ (2016年11月28日 13時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)
酒呑童子 - お化け屋敷のお話がすごく好きすぎて何回もハイルグルッペンしそうになりました...！これからも頑張ってください！ (2016年11月28日 0時) (レス) id: 31dd048566 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - テル＠コクさん» おおおここにまた我々の忠実な信徒がひとり！ありがたいお言葉です！！がんばります〜〜 (2016年11月27日 9時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛菊
| 作成日時：2016年8月26日 23時
