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いやそんなこと言ってる場合じゃない!

「それよりなんですかこの状況!なんで馬乗りになってらっしゃるんですか!そしてなんで私は手を拘束されているんですか!」
「こんなになってもよう喋るなお前。」
「んっ」

視界が暗くなったかと思うと人生で何度めかの柔らかい感触が唇にあたる。
最初は触れるだけだったものが、息を吸おうと口を開けた瞬間、舌を入れ込まれて深く深くなっていく。

くるっ…しい……っ!

私の口の中が総統に全て味わい尽くされている。舌だけではなく口の中の空気まで絡め取られて頭がおかしくなりそうだった。甘くふらふらとしたこの酔うような気分は酸欠のせいだと思いたい。


「ーーーーっはぁ」

もうすぐで死にそうというところでやっと解放された。
私の体は酸素を求めて呼吸を荒くさせる。
唇から先ほどの柔らかい感触が消えてしまって少し名残惜しいと思ってしまった。


「A、」
「な、に、」
「嫌か??」
「…………」

先ほどは嫌じゃないと言えたけど、ニヤニヤと見下ろしてくる総統を前にすると悔しくてどうしても言えなかった。

「ほら、こっち見ろA。嫌じゃないんやろ??お?その顔だもんなあ?」

ぐいっと顔を掴まれて無理やり正面をむかされた。
お母様お兄様、私この悪人ヅラに大事なものを奪われそうです。


「あほ、嫌じゃないことなんて最初っからわかってんだよ。」

ぐいっと端正な顔が前に迫る。
くそ、かっこいいな。


「俺が聞いてるのは怖いか怖くないかという話だ。」
「ひゃっ」

ひたっと自分の腹に大きくてぬるいものが触れた。

「どうだ?」


やっぱり、彼は優しい声音で聞いてくる。





「ありがとうグルちゃん、」

私は緩くなった拘束から逃れて右手を彼の頰に添えた。
手だって本気で押さえつけてない。これは本当にあの鬼畜な総統閣下なのだろうか。


「でもね、本当に怖くないの。1人じゃ怖いのかもしれないけどグルちゃんと一緒って思ったら平気!」
「……まったくお前には敵わんわ。」


総統は諦めたように笑った。
気を使ったわけではなく先ほどの言葉に嘘偽りはまったくない。
超会議の時はもちろん大先生にされた時も怖かったのになあ……
あの時も総統に助けを求めたし私は結構昔から総統にお熱だったのかもしれないなあ


「ーーーーは?」
「え?」
「おいちょっと待てなんや大先生って。」
「…………声出てましたか?」
「大先生にされたってどういうことやねんおい。」

ま、まずい……!!!

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雛菊(プロフ) - 美桜さん» 通知に気づかず返信が遅れてしまい大変申し訳ありません!2ヶ月以上も前に……(汗)読んで頂きありがとうございます!計算高いトントンはめちゃくちゃ気に入ってるので嬉しいです! (2017年5月15日 1時) (レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ヤバいヤバいグルさんも超格好良すぎだけど、トンさんの計算高い感じも格好良すぎぃ! (2017年3月4日 8時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 酒呑童子さん» あああどうもありがとうございますうう!! (2016年11月28日 13時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)
酒呑童子 - お化け屋敷のお話がすごく好きすぎて何回もハイルグルッペンしそうになりました...!これからも頑張ってください! (2016年11月28日 0時) (レス) id: 31dd048566 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - テル@コクさん» おおおここにまた我々の忠実な信徒がひとり!ありがたいお言葉です!!がんばります〜〜 (2016年11月27日 9時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛菊 | 作成日時:2016年8月26日 23時

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