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「いやぁ、正直な話。ちょっと遠井さんのお兄さん気になるよね」
「やっぱり遠井さんみたいにぺったんこなのかな」
「いや、そもそも男なんだし胸ないだろ」
「あ、そっか!」
あははははwwと3人で笑い合う姿を見て私はまた不安が押し寄せてきた。とうとう、昼休みが来てしまった。お兄ちゃんが来てしまう。2年生の教室は2階だからすぐには来れないはずなので、私は念を押すべく3人の所へと向かった。
「いい!?本当にほんとーーにっ!普通にしてね!」
「分かってるって〜」
「ホントに大丈夫かなぁ。何か全然ダメな気がしてきた」
「俺たちを信じろって」
さとみが言葉を続けようとしたその時「あかね!」と私を呼ぶ声がする。来た、来てしまった。ゆっくりゆっくり振り返ると嬉しさで溢れんばかりの笑顔のお兄ちゃんが教室のドアの所に立っていた。
「え、あの人が遠井さんのお兄さん?」
「遺伝子操作でもされたのか?」
ななもり君とさとみが目を見開いて驚いている。やっぱり、私が贔屓目で見てたんじゃなかったんだなと改めてお兄ちゃんの容姿の良さを実感する。皆からの視線をものともせず、お兄ちゃんは教室の中へと入ってきた。
「その人達は?」
ピリッとした空気。わずかだが声のトーンが違う。サッと血の気が引く音がした気がした。昔から私に関わる男の子には若干冷たかったけど、今回は少しニュアンスが違う。緊張から私の口はカラカラに乾いていて上手く喋れない。そんな状況を察してくれたのか、この空気の中一番に喋り出したのはななもり君だった。
「初めまして、遠井さんの"友達"のななもりです」
「さとみっす。よろしく」
間髪入れずにさとみ君も自己紹介をする。友達の部分をあえて強調して言ってくれたななもり君には感謝しかない。お兄ちゃんは友達…と一言だけ呟いた後、「遠井さん…?」と顔をしかめた。あああ、やっぱり気づいちゃうよね…!!
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優奈(プロフ) - コメント失礼します!戻ってきてくださってありがとうございます!これからも無理せずに頑張ってください! (2023年2月6日 16時) (レス) id: 613615a1f6 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - 恋ぃぃぃ!!その気持ちは恋ぃぃぃ!! (2020年9月14日 17時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
かき氷(プロフ) - 男主攻めの小説ってあんまりないので一気に読んでました!これからも更新無理せず頑張ってください! (2020年9月12日 11時) (レス) id: 078758a332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:晴太 | 作成日時:2020年8月20日 13時