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｢…ねぇ、お兄ちゃん｣
｢ん？｣
帰りの車の中。窓の外を眺めていたあかねが声をかけてきた。長旅で疲れていた為、うとうとしていたが愛しの妹が話しかけてきてくれたんだ。起きろ、A。
｢あっ、ごめんね。寝てたよね…｣
｢いいんだよ。それで、どうしたの？｣
｢うん…ホントに高校通うの？｣
｢そうだね。もう学校には話をつけてあるし、向こうも大歓迎って言ってくれたよ｣
一応、編入するには試験があってイギリスにいたからオンラインでそのテストを受けた。面談の時、校長先生が｢ウチにこんな優秀な子が来てくれるなんて…！｣と泣きながら歓迎してくれて、転校初日にパレードするとか言い出したからそれはちょっと…丁重にお断りさせて頂いた。
｢ただ…｣
｢ただ？｣
｢クラスが…！！あかねと一緒のクラスじゃないんだ！！｣
｢いや、当たり前でしょ。くっ！！って悔しがられても…てかそもそもお兄ちゃんなんだから学年も違うでしょ！｣
｢留年するもん｣
｢もんじゃない！｣
あんなに歓迎してくれたのにあかねと一緒のクラスじゃないなんて…と不服に思っているのが表情に出ていたのか、あかねに｢そんな顔してもダメ！｣と怒られてしまった。でも、俺には大切な妹に引っ付く悪い虫を叩き落とすっていう大事な役割もあるわけだし…
｢後ろの席から紙くずみたいなのを投げられて『何すんのよもう！』って振り返ったら『やっとこっち向いた』とか言われてキスなんかされたりしたらと思うと…！俺は…！俺は…！｣
｢うん、お兄ちゃん少女漫画の見すぎだよ。実際の学校生活にそんな胸きゅんな出来事は起こらないから｣
｢午前０時にキスしに来たりも…？｣
｢しないから、安心して｣
本当に？と訝しみながらもあかねの言うことだし信じようとも思う。けど、やっぱり心配は心配だ。俺は普通の学校生活というものが分からないから、漫画や小説を読んでそれを想像することしか出来ない。
｢お兄ちゃん。心配してくれるのは本当に嬉しいよ。けど、せっかく高校生になれたんだから私はお兄ちゃんに楽しんでもらいたいな｣
｢あかね…｣
お願いなんて言われたら俺は分かったよって頷くしかない。もうすぐ期待と不安に満ちた高校生活が始まろうとしていた。
｢でもあかね。君って乙女ゲームのヒロインって設定じゃ…｣
｢その設定は旅立ちました｣
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優奈(プロフ) - コメント失礼します！戻ってきてくださってありがとうございます！これからも無理せずに頑張ってください！ (2023年2月6日 16時) (
レス) id: 613615a1f6 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - 恋ぃぃぃ!!その気持ちは恋ぃぃぃ!! (2020年9月14日 17時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
かき氷(プロフ) - 男主攻めの小説ってあんまりないので一気に読んでました!これからも更新無理せず頑張ってください！ (2020年9月12日 11時) (レス) id: 078758a332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴太 | 作成日時：2020年8月20日 13時
