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それから、ななもり君によるマンツーマンレッスンが始まった。放課後に空き教室やカラオケに行ったりして練習をする日々。そんなある日の事。
「ななもり君も皆と出演するのに俺に付き合わせちゃってごめん」
「いえいえ。俺が遠井さんのお兄さんに無理にお願いしたんですから当然ですよ」
デンモクで歌う曲を探すななもり君。まだ、何を本番で歌うかは決まってない。最近まではバラード曲だったんだけど気分を変えてアップテンポの曲にしてみようといくつか候補をななもり君が決めてくれたから俺は昨日、音源を聞きまくってある程度歌えるようにした。
「まずはこれを歌ってみましょうか」
「どれ?」
「この…………いッ!?」
ななもり君が急に変な声を出したので、デンモクを見るために俯いていた顔を上げた。
「どうしたの?」
「いっ、いや、近くないですか?」
こっちもびっくりするくらい目を見開いているものだから思わず首を傾げる。デンモク見るには近くに寄らないといけないし、そんなに近いかな?確かにななもり君の顔がよく見えるけど…
「遠井さんのお兄さん、ちょっと距離感可笑しいですよ。…キスされるのかと思ったー…なんて、あはは」
「する?」
「しません!!!!!」
「かます?」
「かましません!!!!!!」
ななもり君の事少しからかい過ぎてしまったのか真っ赤な顔でそらされてしまった。耳まで真っ赤だしちょっとやり過ぎたのかも…。謝ろうと口を開くと、言葉を出す前に「ほら、練習しますよ!」と曲を入れられてしまったので大人しくマイクを持つ。ムスッとするななもり君をちょっと可愛いな、と思ったのは内緒だ。
「この曲が1番いい感じですね」
「うん。俺も歌いやすいし楽しい」
「じゃあこれにしましょう!楽しいって気持ちが1番大切ですから!」
目を細めてしまうくらい眩しい笑顔を向けられて、俺も釣られて笑顔になる。楽しそうに「この歌詞の時はこうして…」と色々アドバイスしてくれるので、一緒に歌詞カードを見ながらもう一度歌ったり、少しフリをつけてみたりした。
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優奈(プロフ) - コメント失礼します!戻ってきてくださってありがとうございます!これからも無理せずに頑張ってください! (2023年2月6日 16時) (レス) id: 613615a1f6 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - 恋ぃぃぃ!!その気持ちは恋ぃぃぃ!! (2020年9月14日 17時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
かき氷(プロフ) - 男主攻めの小説ってあんまりないので一気に読んでました!これからも更新無理せず頑張ってください! (2020年9月12日 11時) (レス) id: 078758a332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:晴太 | 作成日時:2020年8月20日 13時