うるさいです先輩。

#16 ページ16

｢じゃあ、この問題をAさん
答えは？｣

数学科の長野先生がきく。

ちょうど昨日勉強したところだ！

｢2:6:9です｣

｢正解｣
長野先生が言い終わったと同時にチャイムがなる。

｢じゃあ、宿題はメネラウスの定理ね｣

メネラウスの定理……、無理……。
琴乃さんに聞こう。
そう思い琴乃さんのほうを向けば
この世の終わりだって感じの顔をしている。
可愛い顔が台無しだよ……。

今のはみなかったことにしよう。

｢Aちゃん、メネラウスの定理わかる？
わかったら教えてほしいんだけど……｣
琴乃さんが困った感じで話し掛けてきた。

｢ごめんなさい、私もわからないです｣

｢そっかぁ……｣
琴乃さんは残念そうな顔をする。

｢あっ、私はわからないですけど、剛先輩や直弥先輩ならわかるんじゃないですか？
今日は部活もないですし｣

絶望していた琴乃さんの顔がぱぁっと明るくなり。

｢Aちゃん天才！
今日の放課後一緒に聞きに行こ！｣

｢もちろんいきます
私もわからないので｣

｢楽しみだね〜｣
……楽しみ？

こうして私の放課後の予定が決まった。

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