うるさいです先輩。

#13 ページ13

最寄りの駅から少し歩いたところに私達の学校がある。

いつも通り１人でてこてこと学校へ向かっていると
｢Aちゃん、おはよう！｣
と如月さんが私の肩を軽く叩いて横に並ぶ

｢如月さん、おはようございます……｣

なんか、青春って感じがするなぁ。
と思いながら挨拶をするが、失敗してしまった。

｢Aちゃん、私前から思ってたんだけど
如月さんって呼ぶのやめない？｣

とにっこりと聞いてくる如月さん。
残念ながら私は貴女のことそこまで親しいと思っていません。
崇拝対象です。

なんて言える筈もなく

｢はい、何て言えばいいでしょうか？｣
つくづく自分が情けないと思う。

｢琴乃って呼んで！｣
少しはにかみながらも私の目をしっかりみて言う。

｢琴乃……さん｣
呼び捨てで名前を言うのは抵抗があるので
さんを付け足す。

｢んー、さん付けかー
まぁ、いいや！｣
少ししょぼんと肩を落とすが
すぐ、にっこりと笑った。

琴乃さんって犬みたい。
そんなことを思いながら私は校門をくぐった。

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