セブチの敏腕プロデューサー

弟の推測と違和感 ページ21

自ら会いに行かなければ、こんなにも俺たちの距離は遠いのか。
自分がこれまでどれだけAに尽くしていたのかが分かる１週間だった。


DK『ジョンハニヒョン、まだ？』
JH『…何が？』
DK『いや、メシ行こうって言ったのハニヒョンじゃないすか〜』


ハハハと笑うソクミナ。
気づけばさっきまでうるさかった練習室にはメンバーが誰も残っていなくて。
壁一面の鏡には、ジャージ姿の２人が映る。


DK『なんかありました？』
JH『なんかって？』
DK『…最近のハニヒョン、元気ないから』


ぼーっとしてるし。らしくないです。
って、そんなに…？


DK『メンバーのことですか？』
JH『んーん』
DK『家族のこと？』
JH『んーん』
DK『じゃあAヌナだ』
JH『なんでアイツの名前が出てくんだよ！』
DK『(分かり易すぎる)』


掃除したばっかの床にドカリと座り込む。
鏡に映る自分を見れば、なんだか情けない顔をしていた。

(あー…かっこ悪りぃ)


DK『そういえば、ヒョンはあの人と話しました？新しく入った技術さんの…』
JH『…ああ、なんで？』
DK『この間廊下で会ったんですけど、…うーん、言っていいのかな』
JH『なに、なんか見たの？』


練習中のダンスの振り付けを軽くしながら、思い出したように例の男の話をし始めたソクミン。
キュッと鳴るシューズの音が響く練習室の時計は、午後６時を指していた。


DK『見たというか、触られたというか』
JH『……は？』
DK『いや、俺の気にしすぎだと思うんですけど…ケツを』
JH『ケツ！？』
DK『ちょっとハニヒョン、声がでかい』


挨拶がてらにタッチされたというか、
よ、ドギョムくん！
みたいな感じだったので…


DK『ハニヒョンみたいなノリというか』
JH『一緒にすな』
DK『距離の縮め方が独特だなと…』
JH『気にすることねーよ、男なんてそんなもんだろ』


むしろ存在が気に食わないからな、アイツ。


・・・今日もAと一緒にいるのかな。


JH『……あー！！やめやめィ！！』
DK『ひっ！(このヒョン情緒不安定すぎる！)』
JH『ソクミナ！メシ食いに行くぞ！今日は肉だ！！』
DK『はいぃっ！！』


(あ、ジョンハニおっぱようやく出てきた！二人でどこ行くんですか？)
(ん？ごはん〜)
(最近スタッフヌナと一緒にいる人誰ですか？イケメンの)
(・・・)
(さっきも二人でコンビニ行ってたよ？)
(・・・)
(あの人に取られちゃったの？おっぱ、ファイティン！)
(・・・)
(ヒョン、い、急ぎましょ！？)

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