セブチの敏腕プロデューサー

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アイツが来てから、何かと問題が多くなった。
アイツが来てから、俺たちは、何か変だ。

そんなこと、とっくに分かっていたことなのに。

SC『そんな自分責めるな』
JH『…』

”Aが階段から落ちた”

ハニが意識のないAを抱きかかえているのを目にした時は、全身から血の気が引いた。

騒ぎを聞いて駆けつけたスタッフが救急車を呼んで搬送されたけど、俺たちはアイツの元に行かせてはもらえなくて。それでも、練習どころじゃなくて。
付き添ったマネヒョンが戻ってくるまで、みんな放心状態だった。

特にハニはひどい。

落ちてくるAを受け止めようとしたものの、間に合わなくて…。
目の前で階段に体を打ち付ける姿を見たそうだ。何も出来なかったと悔やむハニの顔は、後悔と不安でいっぱいだった。

マネ『お前ら…練習はどうしたんだよ…』
JH『っマネヒョン！！』
SC『Aは！？』
マネ『ちょっと落ち着け…もう意識は戻ってる。大丈夫だ』


でも、


JS『右腕骨折…？』
HS『なにそれ、重症じゃないですか…！』

息を飲む声が、ハニから聞こえた。
一気にトーンダウンしたこいつとは裏腹に、騒がしくなる弟たち。

DN『そもそもヌナはなんで階段から落ちたんですか？』
MH『それだよ…マネヒョン、ヌナはなんか言ってましたか？』
マネ『本人はあまりにも眠くて踏み外したと言っていたけど…』
JS『この２日間、事務所で寝泊まりしてたよね…寝不足だったのかな』
WZ『…パボすぎる』

SC『…マネヒョン、Aは何時に戻ってくるんですか？アイツが戻ってくるまで、俺は残ります』
MG『お、俺も…！』
マネ『…今日は戻らない。検査入院だって』
SG『え、入院！？』
マネ『明日も来ないんじゃないか？…言っとくけど見舞いは禁止な。一般病棟だから。この意味わかるよな？』
SC『・・・』

俺たちが押しかけたら、病院はきっと迷惑する。
そうなると、居ずらくなるのはAだ。

DK『た、たった２日の辛抱ですよ！』
VN『…でも、よりによって腕を骨折するなんて』
JN『仕事、しばらくはできないよね…』

JH『…』


ジュンの問いには、誰も答えられなかった。
それでもやってくる朝は、誰にも止められなくて。


DB『おはよう。収録始めようか』
WZ『…ボーカルチームです。よろしくお願いします』


俺たちは初めて、
A抜きで歌を収録した。

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