109話 ページ9
「はぁ…」
ゆっくりと湯船につかって、ドライヤーで髪を丁寧に乾かして、いざ布団へ。
というタイミングで出た、ため息。後悔がつきまとう。
「どーして…ぶっ叩いちゃったんだろ…」
いくら、やんちゃな"イタズラ"をされたとはいえ、やっていいことと悪いことがある。
今が旬な人気アイドルの、商品でもある顔に傷をつけるなんて。痕が残ったら、土下座もんだ。
「…明日、ちゃんと謝らなきゃ…」
若い頃から、雰囲気に流されてしまうことはよくあった。それは私のわるいクセだ。
でも、だからといって、OKをだしたわけではないことくらい、察してほしかった。カイくんもベッキョンも、どうしてこうも手が早いんだろう。
「(きっと事務所の女の子たちは、スタッフふくめ全員EXOの餌食になってるんだろうな)あーあ…なんかフクザツ」
韓国に帰ってきてそうそう、疲れた。
使えない右手をフォローして頑張りすぎた左手をクネクネとマッサージする。
同時に、なんとなく見たスマホには、未読のメッセージが1件。送信者はベッキョンだった。
"ヌナ〜お仕事おつかれさま!明日は音楽祭だね〜リハは順調だったよ!良い結果がもらえるといいな〜"
「…ふふ」
何だか癒される。
「んーと…"ベッキョンもお疲れさま。明日はどんな衣装なの?メークは?"…送信」
我ながら、やっぱり色気のない内容である。
するとすぐに返信が。
"衣装はこれだよ〜メークはアイラインばっちり入れる予定"
添付された写真には、にっこりピースを掲げてるベッキョンとチェンの姿が。
衣装合わせのときの写真だろうか。お揃いの白いジャケットに黒いパンツがよく似合っていた。
"いいね。二人とも似合ってる。でもアイラインメークはやめたら?薄いメークの方が良いと思うな私"
"…ほんと?"
"うん。でもあの、最近EXOで流行ってるのかな?なんか目の周りが赤いメークとかも結構好き"
"ああ、ジョンイナがよくするやつね…OK、明日はお・れ・だ・け、そのメークにする"
"皆でお揃いにすればいいじゃない"
"おれだけ!"
"あ、はい"
最後に、GOOD NIGHT!というスタンプが送信されてきて、会話は終了した。
音楽祭か…韓国語ばっかでほとんど内容分からないんだろうな。
でもきっとテンションの高い、きらびやかな画が撮れるだろう。
不安半分と期待半分の気持ちのまま、私は室内の明かりを消した。
(カイくんに借りたトレーナー、明日返していいのかな…てかどうやって返そう…)
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ANA(プロフ) - 雅美さん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません。ありがとうございます!ハッピーエンド目指して頑張ります!ちょっと長くなりそうで怖いですが…笑 (2016年3月19日 19時) (レス) id: 02ef87b870 (このIDを非表示/違反報告)
雅美(プロフ) - スゴく面白くていつも読ませて頂いてます。おおー遂に想いが通じあったのでしょうか!(^∇^) ベクの想いの強さに羨ましいと思っておりました!サセンや「テング」が気になりますが、幸せになって欲しいです~(^^)v続き、楽しみにしてます! (2016年3月5日 20時) (レス) id: 93047d4dc5 (このIDを非表示/違反報告)
ANA(プロフ) - はなさん» ありがとうございます!楽しんでもらえたみたいで嬉しいです!恋愛要素どんどん足していきますので、最後までお付き合いよろしくお願いします(。・∀・)ノ (2015年12月29日 23時) (レス) id: 61b2481670 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いっきに読んじゃいました!!!!男前主人公とベクが大好きです!(^○^)!所々、いや、かなり笑える場面も多いのにベクのストレートな一途な気持ちがまたキュンキュンします!!!!続きが気になります(^○^) (2015年12月20日 4時) (レス) id: d0f5a1909d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ANA | 作成日時:2015年12月14日 15時