140話 ページ41
「きゃー!!!」
『ちょ、ジョンイナ。なに?』
『ヒョン俺死にたい…』
『え!?なんで!!?』
ジュンミョニヒョンの背中にぴったりと引っ付けば、ペンからあがる黄色い悲鳴。
いいだろー。身長差に萌えるだろー。
でもね、ペンサだと思ってるんだろうけどね、すっげー落ち込んでんだ。実は。
『ステージで死にたいってお前らしいけど…せっかくなら東京ドームまで頑張ろうよ』
『…ヒョンを選んだ俺が馬鹿でした』
『え!?ジョンイナ!!?』
空気よめないヒョンから離れて、てくてくと背中を丸めながら歩けば、目の前に見えるのは客席に笑顔を見せるベッキョニヒョン。
最大限の愛嬌でペンサをする姿は、どうみたって可愛い。
(あーあ。俺もあんなふうに甘え上手ならもっとヌナと普通に話せるのかな)
攻めると決めてから、なかなか一歩が踏み出せなくて、話しかけられずにいる。
それどころかヌナとベッキョニヒョンは、俺の入る隙間もないくらい仲が良い。
だから俺はああやって、ヌナを怒らせることでしか視界に入れないんだ。
(こんな意気地なし。ヒョンはライバルとして見てくれているのかな…)
ぼーっとヒョンを見つめる。
近くにいるペンがきゃあきゃあ言ってるけど、見向きもできなかった。
ヒョンみたいになりたい。
ヒョンみたいにヌナと自然に話したい。
『ジョンイナ』
『…ギョンスヒョン』
『ペンが見てる。ほらキムチ』
後ろからやってきたギョンスヒョンが、俺の肩に腕をまわしてペンに笑顔を向ける。
きゃあきゃあ言う声が大きくなった。
ヒョンはこんなに小さいのに大人っぽくて逞しくって。
こんなに大きいのにガキくさい自分が情けなくて涙がにじんだ。
『ジョンイナ?』
『う…ひょん…』
『どうした?』
泣いてる姿をペンに見られたくなくて、ヒョンに抱きつく。
きゃあきゃあの声がさらに大きくなったけど、ヒョンは優しく受け止めてくれた。
『なんだよ、ステージの上でににたん?めずらしーな笑』
そう言いながらも、俺をぎゅっと抱きしめてくれるヒョン。
いつでも頼れるヒョン。
『俺、もっと大人になりたい』
『ジョンイナは不器用だもんな。好きな子いじめちゃうくらいさ』
『…い、いじめてはいないです』
『同じようなもんだろ。あんな皆の前で』
『…』
『ま、がんばれよ。何があったか知らないけど』
『ひょん泣』
(ずっと抱きついてるけど…何があったのあの子たち)
(先輩!あれがいわゆるファンも大好物のカイドってやつですよ!)
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ANA(プロフ) - 雅美さん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません。ありがとうございます!ハッピーエンド目指して頑張ります!ちょっと長くなりそうで怖いですが…笑 (2016年3月19日 19時) (レス) id: 02ef87b870 (このIDを非表示/違反報告)
雅美(プロフ) - スゴく面白くていつも読ませて頂いてます。おおー遂に想いが通じあったのでしょうか!(^∇^) ベクの想いの強さに羨ましいと思っておりました!サセンや「テング」が気になりますが、幸せになって欲しいです~(^^)v続き、楽しみにしてます! (2016年3月5日 20時) (レス) id: 93047d4dc5 (このIDを非表示/違反報告)
ANA(プロフ) - はなさん» ありがとうございます!楽しんでもらえたみたいで嬉しいです!恋愛要素どんどん足していきますので、最後までお付き合いよろしくお願いします(。・∀・)ノ (2015年12月29日 23時) (レス) id: 61b2481670 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いっきに読んじゃいました!!!!男前主人公とベクが大好きです!(^○^)!所々、いや、かなり笑える場面も多いのにベクのストレートな一途な気持ちがまたキュンキュンします!!!!続きが気になります(^○^) (2015年12月20日 4時) (レス) id: d0f5a1909d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ANA | 作成日時:2015年12月14日 15時