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139話 ページ40

ライブ中、衣装チェンジのため袖にはけてきたメンバーたち。
私たちではない、別の密着カメラに日本語を披露しているのはチェンくんだ。

「あー…ぼくのにほんごオッケーですか?」
「お上手です」
『(あ、ヌナ)』
『(こら。ちゃんとカメラのほう向いて)』

邪魔にならないようにそっと距離をおけば、気付いたチェンくんが目線で会話をしかけてくる。

『(だいじょーぶ?)』
『…ッ』

ベッキョンが1週間前に言った言葉は、本当かもしれない。
アプリが無くても簡単な言葉が通じ合えるほどには成長している自分が、驚きであり、少し切なくもなった。

(切ない…?)

なぜか動揺して汗だくのチェンくんから目をそらせば、真後ろに大きな壁。

『Aヌナ、ひもとれちゃった。なおして』
『(き、キムジョンイン!)』
『いま衣装ヌナが足りなくて。いいよね?』

赤い帽子にボーダーの可愛らしい衣装で突っ立っている、カイくん。
確かに周りをみれば、皆それぞれが忙しそうにメンバーを着せ替えている。

『(仕方ない…)えっと、ひも?』
『ひも。これ』
『ああ…サスペンダーね』

指をさしたところを見れば、サスペンダーが後ろだけぷらーんと外れている。
早く。と背中を向けるカイくんは、先程のことが嘘のように自然に接している。

(大人になれ…これも仕事だ。きっと仕事だ)

カメラをそっと床に置いて、宙に浮いてるサスペンダーをつかんだ。

『じゃ、失礼』
『ぅおァ!ぬ、ヌナ、パンツまでつかんでる!(小声)』
『え?ああゴメン』
『やば…はず…』

到底カイくんが出したとは思えない声にぎょっとして上を見上げれば、奇麗なうなじが見える。
でもそこから覗く耳は…なぜか真っ赤。

『ジョンイナー!あと30秒!!』

遠くから聞こえた、ジュンミョンくんの声。
あと30秒で、彼はステージに立たなくちゃいけないのに。

『熱でもあるの?』
『…ダイジョーブヘーキミナイデ』
『(なぜ片言?)じゃあ何でそんな真っ赤なの』
『は!?恥ずかしいからだよ!好きな子にパンツ触られて!!(小声)』
『…へ?』
『ちっくしょー…マジあとで覚えとけよAヌナ…』

そう言って、ずんずんと歩き出したキムジョンイン。
一度も振り向いてくれなかったけど、きっと顔、真っ赤なのかな。

パンツで照れるなんて、意外すぎる。

(何あれ。可愛い)
(マジ不覚…)

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設定タグ:EXO , ベッキョン , 日本人   
作品ジャンル:恋愛
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ANA(プロフ) - 雅美さん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません。ありがとうございます!ハッピーエンド目指して頑張ります!ちょっと長くなりそうで怖いですが…笑 (2016年3月19日 19時) (レス) id: 02ef87b870 (このIDを非表示/違反報告)
雅美(プロフ) - スゴく面白くていつも読ませて頂いてます。おおー遂に想いが通じあったのでしょうか!(^∇^) ベクの想いの強さに羨ましいと思っておりました!サセンや「テング」が気になりますが、幸せになって欲しいです~(^^)v続き、楽しみにしてます! (2016年3月5日 20時) (レス) id: 93047d4dc5 (このIDを非表示/違反報告)
ANA(プロフ) - はなさん» ありがとうございます!楽しんでもらえたみたいで嬉しいです!恋愛要素どんどん足していきますので、最後までお付き合いよろしくお願いします(。・∀・)ノ (2015年12月29日 23時) (レス) id: 61b2481670 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いっきに読んじゃいました!!!!男前主人公とベクが大好きです!(^○^)!所々、いや、かなり笑える場面も多いのにベクのストレートな一途な気持ちがまたキュンキュンします!!!!続きが気になります(^○^) (2015年12月20日 4時) (レス) id: d0f5a1909d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ANA | 作成日時:2015年12月14日 15時

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