136話 ページ37
『ヌナ♪』
『わっ、セフンくん。びっくりした』
ジュンミョンくんに引っ剥がされたベッキョンは、文句を言いながらも遠のいていく。
その隙間を縫うように登場したのは、でっかいマンネだ。
『ホントにギプスが外れてまとぅね!』
『そうなのよ〜すっごい開放感』
『痛い?』
『ちょっとね?』
『ふうん』
興味のなさそうな言葉とは裏腹に、そっと私の手を取ってまじまじと見つめるセフンくん。
その姿には、海外公演のステージまであとわずか。という状況なのにどこか余裕がみえる。
『右手でカメラまわすの?』
『まだかな〜支えるくらいは出来るみたいだけど』
肩を並べて楽屋に入れば、一気に集まる視線。
皆お揃いの衣装を着て、首にはイヤモニがたれている。
いつもの光景だ。
『ヌナ間に合ったね!遅いから、道に迷ってるのかと思った』
『大人なんだから、大丈夫よ』
靴をサンダルから本番用のものに履き替えながらチェンが笑う。
『ヌナ。日本のケータリングでめっちゃウマいのあったんだけど何かな』
『どれ?』
突っ立っている私の背中を押して楽屋の一角へと案内したのは、出会った当初は寡黙だったギョンちゃんことディオ。
一緒に飲んでからはカメラが回っていないときでも普通に話せるようになったよね。
しかもこれが意外に人懐っこくて可愛い。
「あー肉じゃが」
「にきゅじゃが?」
「肉じゃが」
「にくじゃが…おいしい」
(しぶいね〜君)
うっとりした顔でラップに包まれたジャガイモを見つめるディオくん。
なんでも、休憩中に食べたいから残しているのだそう。
日本の家庭料理だよと言えば、まんまるのお目目を大きくして視線が戻ってきた。
『ヌナも作れるの?』
『えー…作れないことはないけれども』
『マジ!?』
『え!ギョンス!何!!』
珍しいディオくんの大声に、化粧台から放してもらえないベッキョンが反応。これにはガン無視のディオくん。
ラップの上からご丁寧にマジックで自分の名前を書いてから小さく呟いた。
『ヌナのにくじゃが…食べたい』
『(かわいい…)練習します』
『やった』
本当に嬉しそうな姿に、近くにいたシウミンがつられて笑う。
うんうん。肉じゃがくらいで元気になってくれるなら、いくらでも作るよお姉さん。
『じゃ、そろそろ取材はじめますか。卓はサイドカメラよろしく。グループショットね』
『了解です』
『カメラ♪俺しゃべる』
『じゃーチャニョルさん!いよいよ日本公演ですけど意気込み教えてください!』
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ANA(プロフ) - 雅美さん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません。ありがとうございます!ハッピーエンド目指して頑張ります!ちょっと長くなりそうで怖いですが…笑 (2016年3月19日 19時) (レス) id: 02ef87b870 (このIDを非表示/違反報告)
雅美(プロフ) - スゴく面白くていつも読ませて頂いてます。おおー遂に想いが通じあったのでしょうか!(^∇^) ベクの想いの強さに羨ましいと思っておりました!サセンや「テング」が気になりますが、幸せになって欲しいです~(^^)v続き、楽しみにしてます! (2016年3月5日 20時) (レス) id: 93047d4dc5 (このIDを非表示/違反報告)
ANA(プロフ) - はなさん» ありがとうございます!楽しんでもらえたみたいで嬉しいです!恋愛要素どんどん足していきますので、最後までお付き合いよろしくお願いします(。・∀・)ノ (2015年12月29日 23時) (レス) id: 61b2481670 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いっきに読んじゃいました!!!!男前主人公とベクが大好きです!(^○^)!所々、いや、かなり笑える場面も多いのにベクのストレートな一途な気持ちがまたキュンキュンします!!!!続きが気になります(^○^) (2015年12月20日 4時) (レス) id: d0f5a1909d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ANA | 作成日時:2015年12月14日 15時