129話 ページ30
『まだメッセみてないね…相当体調悪いのかな』
『俺のも…』
『レイ、ギョンス。ベクなら大丈夫だよ…ご飯食べよう?』
(そういうジュンミョニヒョンだって食べてないくせに…)
デリバリーしたピザとチキンに、誰も手をつけないで1時間が経過。
グループ活動をしていると、全員でステージに立てないことはよくあるものの、
ヒョンのように舞台を途中で降りることは滅多に無いからか、皆心配で顔色がすぐれない。
『…ベクは無理してたのかな?』
『ジョンデ…』
『誰よりもサセンが多かったし…』
『そういえば昨日も夜中すごい電話鳴ってた』
『まさか…このままいな『セフナ』』
マンネの言葉を遮ったのは、シウミ二ヒョンだ。
『その続き、言ったら殴るよ』
『ご、めんなさい』
『…いや…俺もゴメン』
気まずい空気が流れる。
普段落ち着いているヒョンが、焦っているように見えた。
でも脱退なんて今のEXOにはNGワードだから。
ヒョンがストップをかけなかったら、俺が声をあげてただろう。
『とにかく、チャニョルが見に行ってくれてるし、任せよう。俺たちは自分の管理をしっかりしなきゃ』
『…そうだね』
『ピザ、あたためてくるよ』
『俺も手伝う、ギョンスヒョン』
『ジョンイナ。ありがとう』
ピザの箱をヒョンから奪い、キッチンへと向かう。
『…』
(”負けません”ってなに?)
(Aヌナのこと。今はそれ以上言えない)
確実に、あの会話からヒョンはおかしくなった。
目に見えて静かになったし、ステージだってちゃんと観ていなかった。
途中でリーダーや、あのチャニョルヒョンにも注意されていたし。
俺は、少し負い目を感じているのかもしれない。
『ジョンイナ…?』
『…え』
『ピザ、かして』
『ああ…すみません』
『…どうしたのボーッとしちゃって』
『…別に』
ブイーンとレンジが鳴る音が響く。
明かりを付けたキッチンは、リビングよりも少し明るい。
ギョンスヒョンは、じっとピザを見つめている。
『何か考えてたみたいだし、久しぶりに頭使って疲れたんじゃない?』
『…』
『ベクは、いつもの感じで、帰ってくるよ』
『…』
『せっかくのオフなのに、大人しく病人してる奴じゃないでしょ?』
『…たしかに』
いつにも増して饒舌なヒョンは、まだピザを見つめている。
『ジョンイナも言いたい事あるなら言わないと、爆発しちゃうよ』
『え?』
気付けば俺を見ているヒョン。
真っすぐな瞳は、すべて見透かされているようで、怖かった。
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ANA(プロフ) - 雅美さん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません。ありがとうございます!ハッピーエンド目指して頑張ります!ちょっと長くなりそうで怖いですが…笑 (2016年3月19日 19時) (レス) id: 02ef87b870 (このIDを非表示/違反報告)
雅美(プロフ) - スゴく面白くていつも読ませて頂いてます。おおー遂に想いが通じあったのでしょうか!(^∇^) ベクの想いの強さに羨ましいと思っておりました!サセンや「テング」が気になりますが、幸せになって欲しいです~(^^)v続き、楽しみにしてます! (2016年3月5日 20時) (レス) id: 93047d4dc5 (このIDを非表示/違反報告)
ANA(プロフ) - はなさん» ありがとうございます!楽しんでもらえたみたいで嬉しいです!恋愛要素どんどん足していきますので、最後までお付き合いよろしくお願いします(。・∀・)ノ (2015年12月29日 23時) (レス) id: 61b2481670 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いっきに読んじゃいました!!!!男前主人公とベクが大好きです!(^○^)!所々、いや、かなり笑える場面も多いのにベクのストレートな一途な気持ちがまたキュンキュンします!!!!続きが気になります(^○^) (2015年12月20日 4時) (レス) id: d0f5a1909d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ANA | 作成日時:2015年12月14日 15時