113話 ページ14
『よかったの?今の子…』
『いいのいいの。トモダチだから』
『ふーん』
『ふーんってヌナ、もしかして知らないの?あの男』
『え?』
『日本では結構活動してるはずなんだけどな…ま、いいや』
『?』
金髪少年を残して、ずんずん廊下を進む2人。
お目当ての自動販売機は水とコーヒーしか販売していなくて、それを見たカイは肩をがっくり落としてうなだれていた。
『ショック…』
『(こういうところ、ほんと子どもっぽいんだから)』
『まあ…座ってヌナ』
『はいはい』
バタバタと忙しそうに行き交う、別のアーティストのスタッフたちを横目に、自販機の隣にあったベンチに腰掛ける。ちょうどいい。私も言わなければいけないことがあった。
『…昨日はゴメンなさい』
『え?』
『平手打ち、しちゃって。アイドルの顔なのに』
『ああ…』
『本当にゴメンなさい』
『いいよ…俺が悪いんだし、ヌナに責任ないよ』
『…』
『ま、すっげー痛かったけど笑』
『ッゴメン!』
『うそうそ。気にしないで。俺こそゴメンなさい』
『…』
『やっぱ男だから、歯止めきかないこともあって。恥ずかしいとこ見せちゃった。でも、中途半端じゃないから。俺ヌナのこと』
『…キミもそういうこと言うのね』
『え?』
『ちゃんと謝ったから言うけど。私、恋愛する気、ないから』
『!』
『言葉も文化も立場も、壁があるじゃない。私にとってあなたたちは、仕事をする上でのパートナーでしかないの。それ以上でも、それ以下でもないの』
『…』
『もういい?私いくね。昨日借りた服は、後で返すから』
『待って』
足早に去ろうとするAを、カイが声で引き止める。
『そんなの悲しいよ。仕事だからって何で縛られなきゃいけないの?』
『逆に、よくスタッフに興味出るよね』
『俺は良いなと思う人はスタッフでもアイドルでも一般人でも関係ないから』
『おかしいよ』
『おかしくない』
『…仕事、しよう。ね、カイくん』
だだをこねる子どものように、意志を貫くジョンイン。
反対にAは、空気を悪くしないようになだめることに必死だ。
『真面目すぎ。ほんと一筋縄じゃいかないね』
『…そういうの、本人を前に言わないほうがいいよ』
『ヌナにたいして、むきになってるわけじゃないけど、なんか納得いかない』
『…じゃあ納得いくように、頭整理してごらんなさい。一筋縄でいかない難関ゲームみたいに面白いから、私をからかって遊んでるだけなんだって、答えが出るわよ』
『(絶句)』
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ANA(プロフ) - 雅美さん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません。ありがとうございます!ハッピーエンド目指して頑張ります!ちょっと長くなりそうで怖いですが…笑 (2016年3月19日 19時) (レス) id: 02ef87b870 (このIDを非表示/違反報告)
雅美(プロフ) - スゴく面白くていつも読ませて頂いてます。おおー遂に想いが通じあったのでしょうか!(^∇^) ベクの想いの強さに羨ましいと思っておりました!サセンや「テング」が気になりますが、幸せになって欲しいです~(^^)v続き、楽しみにしてます! (2016年3月5日 20時) (レス) id: 93047d4dc5 (このIDを非表示/違反報告)
ANA(プロフ) - はなさん» ありがとうございます!楽しんでもらえたみたいで嬉しいです!恋愛要素どんどん足していきますので、最後までお付き合いよろしくお願いします(。・∀・)ノ (2015年12月29日 23時) (レス) id: 61b2481670 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いっきに読んじゃいました!!!!男前主人公とベクが大好きです!(^○^)!所々、いや、かなり笑える場面も多いのにベクのストレートな一途な気持ちがまたキュンキュンします!!!!続きが気になります(^○^) (2015年12月20日 4時) (レス) id: d0f5a1909d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ANA | 作成日時:2015年12月14日 15時