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雅さんの小指を握る私の指がほどかれて
すぐ大きな手が包み込むように握られる。
横を見上げれば、雅さんと目があった。
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口に出されていないはずなのに
雅さんの声が届いた気がした。
きっと私の『声』も雅さんに届いたんだと思う。
「…A」
「なに？」
声が上ずりそうになるのをなんとか堪え
平然を装おうとすればするほど
緊張して心臓の音が大きくなる。
「そんなに構えられるとこっちも緊張するだろ」
元々の困り眉を更に下げて雅さんが苦笑する。
「だって、やっぱり離れたくないって
思っちゃったんだもん」
今夜はずっと一緒にいたい、と言いながら
すがるように雅さんを見つめてしまう。
「ああ、俺も」
雅さんが痛くないくらいに私の手握り込む。
「でも、門限が」
「ないんだ」
雅さんが私の言葉に自分の声を被せた。
え？……ない？
情けなくポカンと口を開いてしまう私に
雅さんが補足すように言う。
「外泊届け出してきたから今夜は門限はない」
「……って、ことは…」
雅さんは最初から
『そのつもり』だったってこと？
「朝まで一緒にいられるの？」
「ああ」
頷く雅さんに安堵したのもつかの間。
門限聞いたときなんで外泊届けのこと
言ってくれなかったのかと詰め寄れば
私が強張ってるのを感じて言い出せなかったと
雅さんは申し訳なさそうに肩をすくませた。
図星といえばそうなのだけど
それは雅さんが緊張してるように見えたから、
と言い訳する気にはなれなかった。
そのつもりで心の準備はしていても
いざ実際に雅さんを目の前にすれば
頭はそのことでいっぱいになって
暢気にデートなんて出来なかったし
ずっと緊張しっぱなしで
夕方には疲れていたと思う。
雅さんの本心を知った途端、
期待や嬉しさも勿論あるけどやっぱり不安で
寒さのせいじゃなくて
唇が微かに震えて上手く笑えない。
すると雅さんが私の後頭部に手を回して
自分の胸に引き寄せる。
「今日、久しぶりにAと過ごして
俺の知らないAがいることに正直焦った」
私も、という返事をするかわりに大きく頷く。
「だから誰も知らないAを
俺だけが知りたいと思った」
雅さんの胸の鼓動が速くなる。
雅さんが一生懸命伝えてくれてる。
「けどそれは今すぐじゃなくていい。
いつか、知れたら…。
今はAの傍にいられればいいんだ。
Aが怖いと思うようなことはしない」
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あんず。(プロフ) - 雅さん» 更新停止期間が長かったにも関わらず、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました！皆無に等しい私の語彙力では雅さんの魅力を全て引き出すことは出来ませんでしたが、少しでも雅さんが好きな方に喜んでいただけたなら嬉しいです。 (2022年9月24日 23時) (
レス) id: cea1d0e30c (このIDを非表示/違反報告)
雅(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ずーっと読ませていただいてました！雅さんLOVEです♥なかなか雅さんのお話ってなくて、すごく嬉しかったです！ありがとうございました！ (2022年9月24日 22時) (レス) @page50 id: 7007161c36 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - めっちゃ気になる〜 (2022年6月25日 23時) (レス) @page41 id: c4b0537998 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 久しぶりの更新すごく嬉しかったです！！ありがとうございます！！！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 9f6fa53375 (このIDを非表示/違反報告)
雅(プロフ) - 初めまして。ダイヤのA雅さん好きです！ヒロインの無意識の変態おもしろいです！(笑)雅さんの話滅多にみかけないから、嬉しいです！ (2019年2月21日 15時) (レス) id: ff8c7fad23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんず
| 作成日時：2016年9月3日 17時
