あんたなんか好きにならない。2【Ren】

それぞれの愛し方。【廉side】 ページ39

勇「廉、それは悪い冗談だよね？」

岸「あー、だよなー!!
いくら廉がイケメンだからって、さすがにそこまではしないよなー」

俺のカミングアウトにパニクった二人は、冗談やと信じたかったみたいやったけど。

廉「いや、ほんまやで」

勇「マジかよ、廉は何でそんな事したの」

岸「うっわー、俺なんて付き合ってもしてないっつーのに!!」

そしてなぜか、岸さんが俺とは正反対のカミングアウトをした笑

廉「俺、ずっとAの事好きやったから。

最初は酔って帰れないアイツを家に連れてきただけやったけど、ちょっと軽い気持ちでからかったら止まらんくなってつい。

俺の事をただの同期としか思ってないアイツが、それをきっかけに男として意識してくれるようになったらええなって」

俺が理由を説明すると、

勇「なるほどね。

正直やり方としてはどうかなって思うし、俺は絶対にやらないけど、廉の性格的にはアリだったのかもしれないね」

と、ジンは理解を示してくれた。

廉「ところで、岸さんは逆に何でせえへんかったん？」

岸「そんなの、Aが廉の事好きだからに決まってんだろ!!

他の男を想ってる女にそんな事出来ねぇし、ちゃんと俺を好きになってからがいいなって思ったからだよ!!」

なるほどな。

岸さんは岸さんなりに、Aを想ってしなかったって事か。

俺には絶対に出来ん愛し方やけど笑

勇「まぁAは鈍感なとこあるし、廉が心配になる気持ちもわからなくもないけどさ、Aの気持ちを信じるしかないんじゃない？」

まぁ、信じられなかった俺が言っても説得力ないかもしれないけど、なんて笑いながら言うジン。

俺らはきっと愛し方が違うだけで、Aを大切に想う気持ちはおんなじなんやな。

こんなにも愛されるAを彼女に持つ俺は、ほんまに幸せ者やなぁと実感したのだった。

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