入った会社の先輩達が全員イケメンなんて聞いてない!!【Sho】

紫耀くんとご飯。 ページ34

仕事が終わる時間になると、

紫「あー終わったー!!
Aちゃんは？着替えてすぐ出れそう？」

と、隣の席の紫耀くんから声を掛けられた。

「はい、大丈夫ですよ」

紫「よし！
じゃあここで待ってるから着替えて来て？」

「了解です」

そう言って更衣室で私服に着替えてから、紫耀くんが待つ事務所に戻った。

私の顔を見た紫耀くんが、

紫「あれ？口紅の色、さっきと変えた？」

と首を傾げながら聞いてきた。

「わかります？お出掛け仕様にしてみました」

私がそう言うと、

紫「赤くてセクシーで可愛いっ!!」

とニヤニヤしながら私を見つめる紫耀くん。

「じゃあご飯行きましょうか？」

そうして、紫耀くんの車で予約したお店に二人で向かった。

紫耀くんは、車に乗った時だけ煙草を吸う。

事務所では吸わないから、初めて見た時は衝撃を受けた。

普段はニコニコしてるイメージの紫耀くんが、静かに紫煙を燻らせる色っぽい横顔に少しだけドキッとした。

そんな紫耀くんをじっと見つめていると、

紫「あ、煙かった？」

と、煙を手で払いながら私に聞いてきた。

「あ、いえ。
車だと煙草吸うんだなーって思ってただけです」

紫「あ、もしかして煙草嫌いだった？」

私の顔色を伺うように聞いてきた紫耀くんに、

「はい、嫌いです」

はっきりとそう言えば、

火をつけたばかりの煙草を、灰皿に強く押し付けて消してしまった。

「それ、今吸い始めたばっかりじゃないですかー」

私が苦笑いでそう言うと、

紫「俺、今日から煙草やめる!!
だからさ、俺の事は嫌いにならないでね？」

と、眉を下げてお願いしてくる紫耀くん。

「別に嫌いにはならないですよ？」

紫「え、ほんとに？」

「まぁ、その代わり好きにもならないですけどね笑」

私が笑いながらそう言うと、

紫「じゃあ、ちゃんと煙草やめるから俺の事好きになって？」

と、真剣な顔で言う紫耀くんに、再びドキッとしたのだった。

．→←とりあえずご飯。

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