七 ページ9
しばらくすると、美智子さんが帰ってきた
それと同時に、アンさんもやって来た
美智子さんが持ってきたカップに、
ヴィオレッタさんがお茶を入れ、
アンさんに渡した
アンさんがお茶を飲み、一息つく
すると、マリーさんが、アンさんに話しかけた
｢今日の試合は、どうだったの？｣
｢そうですね･･･ 技師さんと心眼さんが居たので、通電までが早かったですね｣
｢それは大変やねぇ･･･｣
｢私、技師の事苦手なのよね･･･｣
私は、試合をした事が無いので、
よく分からないが、
その二人は、特に解読が早いらしい
｢それで勝ったの？｣
｢なんとか引き分けでした｣
｢その2人なら、まだ勝てたんじゃなくって？｣
｢いえ、オフェンスの方が粘着に来ていて･･･｣
｢あら･･･｣
話には着いていけないが、
オフェンスさんも厄介なのか
後でちゃんと勉強しておこう
｢そういえば、幸音はん｣
｢はい どうしました？｣
｢幸音はんの外在特質ってどんななん？｣
｢外在特質、ですか｣
まだ知らない、と言おうとした時、
何処からか全く知らない犬が走ってきた
｢あら、ウィックだわ！｣
ヴィオレッタさんは、その犬を知っていたらしい
ウィックと呼ばれた犬は、
口に手紙を咥えていた
美智子さんが受け取ると、
ウィックは来た道を帰っていった
美智子さんが、受け取った手紙の宛名を見る
｢これ、幸音はん宛みたいやよ？｣
私宛だったのか
｢荘園の主から･･･？｣
差出人の名を呟くと、マリーさんが反応した
｢きっとそれに、ユキネの外在特質について書かれているのよ！｣
｢開けてみたら？｣
｢そうですね｣
私は、手紙を開けた
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作者名：その辺の草 | 作成日時：2020年5月9日 1時
