新ハンター巫女【第五人格】 (ページ20)

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いくつかの洗剤を抱え、
食料庫を出ると食堂が先程よりも賑わっていた

｢あ、幸音はんおかえり｣

忙しそうに手を動かしながらも、
美智子さんはこちらを向いて声をかけてくれた

｢遅くなってすみません･･･
つい話し込んでしまって･･･｣

自分から皿洗いを申し出たのに、
皿洗いを忘れて話し込んでしまうなんて･･･

｢謝らなくてええよ〜｣

｢ついでですし、他の人の分のお皿も洗いますね｣

｢ありがとうね、幸音はん｣

忙しなく動く美智子さんの邪魔をしないように、
流しの端の方で皿洗いをする

隣からうどんの生地を切る音や、
汁を注ぐ音が聞こえてきた

耳馴染みのないその音はどこか心に安らぎをもたらした

誰かが料理してる音を聞くなんていつぶりだろう

そもそも皿洗い自体何年ぶりだろう？

お母様は、
私のことを台所に入れたがらなかったからな･･･

洗っても洗っても減らない食器を手にふと思った

お昼の混雑した時間帯が終わり、
忙しなく動いていた謝必安さんと美智子さんが
一息ついた

二人よりも動いていないとはいえ流石に･･･

｢･･････疲れましたね｣

頭に浮かんだ言葉を謝必安さんが口にした

｢せやね･･･
幸音はんも手伝ってくれはってありがとう｣

｢いえいえ、私は皿洗いぐらいしかしてませんから｣

｢忙しい時間帯も終わったことやし、
うちらもお昼ご飯食べよか
謝必安はん｣

｢そうですね
私はお腹空いていないので、無咎に変わりますね｣

そう言った謝必安さんが傘を開くと、
傘から出てきた黒い液体が謝必安さんを包んだ

少しすると、白を基調とした謝必安さんと対照的な黒を基調とした范無咎さんが姿を現した

｢いらっしゃい、無咎はん
今日のお昼は謝必安はんの作ったうどんやよ｣

｢ああ、生地から作っていたらしいな｣

いつの間にかお膳に二人分の器を乗せた
美智子さんが台所からやってきた

美智子さんいったいいつの間に･･･

｢うちはもう長い間この荘園に居るから
無咎はんらの入れ替わりは見慣れたもんなんよ｣

うどんの入った器を机に置きながら
美智子さんがそう説明してくれた