しぇあすの。 (ページ6)

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目「翔太。」
翔「あーっ、、あぅ、」
目「ふは、よだれでべとべとじゃん、。」

とても小さく生まれた息子の成長はめちゃくちゃゆっくり。慢性的な肺疾患で在宅でも酸素が手放せないし、身体も弱くて、熱を出すのはしょっちゅうのこと。入院することも少なくはない。それでも、俺が守ってやらないと。

ただ1人の家族なんだから。

、、、そうやって気を張って、持ち前の気合いで乗り越えてきたつもりだったんだけど、さすがに疲れたかも、。

最近は夜泣きが酷くて、唯一の身体を休められる睡眠時間も削られていく。

目「なんで泣いてんの、。」
翔「うぁぁぁん、、ぅ、ゔぁぁぁ〜」

2歳児にそんなこと言ったって答えてくれないのは分かってる。度重なる睡眠不足でガンガンと痛む頭に、劈くような子供の泣き声が響く。

ドンッと隣の部屋から壁を殴られた。

もう、ここには居られない。

泣き喚く息子を前に抱っこして、ポケットには最低限のスマホと財布、家の鍵。右手に大事な酸素を引いて街灯がポツポツと光る夜の街に出た。