*Rhapsody of Ice『2』*【氷浦貴利名】 (ページ4)

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Episode34* ページ4

『……うん、そうだよ。』

口を開く私に対し、野坂君の表情が少し変わった。

今までの私だったら言い返せなかったかもしれない。

私はそのまま野坂君の目を見つめ、話を続ける。

『私がこうしてまた笑えるようになったのは、

貴利名のおかげなの。

貴利名が私のずっと抱えてた闇を取り払ってくれた。

…私にとってとても大事な人なの。』

野坂君はただただ黙って聞いていた。

感情を表に出さない。

そんな野坂君の目の色が少し変わった気がした。

野坂｢へえ、なるほどね。

…でも残念ながら僕は君を素直に応援できないかな。｣

_____まただ。酷く冷たい声。

口調こそ優しいがその一言には重みがあった。

『どうして？』

微笑を浮かべていた野坂君の顔が、

真剣な顔つきになった。

野坂君は私の目をまっすぐ見据えている。

野坂｢僕はAのことが好きだからだよ。｣

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