番外編3*〜野坂との出会い〜 ページ35
遡って2年前。
『……あ、今日診察日か。』
スケジュール帳で予定を確認していた私は、
今日が病院に行く日だということをすっかり忘れていた。
『この後はフルートのレッスンもあるし……
楽器も一緒に持っていこ。』
楽器ケースを肩にかけ、家を後にした。
＊
診察が終わり、時計を確認すると時計の針は15時を指していた。
フルートのレッスンは17時からなので
時間に余裕はある。
今日は晴れてるし、病院の屋上にでも行ってみようか。
屋上へ行くと、サッカーボールを手にして空を眺める一人の少年がいた。
パジャマ姿……ここで入院しているのだろうか。
声をかけようかかけまいか悩んでいると、
少年はこちらに気づき、近づいてきた。
野坂｢こんにちは。
僕は野坂悠馬。君もここによく来るのかい？｣
『私は白雪A。
だいぶ前にここで入院していた事があって、
今でも事故の後遺症がないか診察してもらってるの。』
野坂悠馬君_______優しそうな口調だが、
彼の瞳には光がないように思えた。
私と同じで何かを抱えているようにも見えた。
野坂｢そうなんだ。
僕は今ここで入院してるんだ。
この間の火事で火傷を負ってね。｣
『！』
私はその火事のニュースをテレビで聞いた覚えがある。
燃え盛るマンションに取り残された小さな女の子を、
私と同じくらいの年の男の子が助けたっていう。
野坂｢まあ、これくらい全然なんてことないよ。
傷は残っちゃったけど。｣
『……強いね。野坂君は。』
野坂｢そんなことないよ。｣
野坂君はふっと笑みをこぼした。
…自分を犠牲にしてまで他人を助けることなんて、
簡単ではないのに。
素直に凄いと思った。
『そういえばずっとサッカーボール持ってるけど、サッカーやってるの？』
ふと疑問に思っていたことを聞いた。
野坂君は少し何かを考えるような素振りを見せたが、すぐに｢ああ。｣と答えた。
『そっか。サッカー好きなんだね。』
何気なく言った一言だったが、
野坂君の表情が少し曇ったように見えた。
野坂｢さあ……どうなんだろう。
あ、暇なら少しサッカーやってみる？｣
『え、私、サッカーなんかやったことないよ。』
野坂｢教えてあげるよ。｣
それから野坂君にサッカーを教えて貰い、
少しサッカーに興味を持った。
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まにゅ - めっちゃいいです！！ (2019年3月31日 18時) (
レス) id: c1e18846c3 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊妃葵*(プロフ) - 夕霧さん» コメントどうもありがとうございます！完全に作者の趣味ですが……（笑）第2シリーズも楽しみにしててください！更新頑張ります！ (2018年12月18日 22時) (レス) id: c45874ae09 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - 野坂君がライバルか………これからどうなっていくのだろう？とっても楽しみです!これからも更新を頑張って下さい！！ (2018年12月18日 20時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊妃葵*(プロフ) - スイさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(*´ο`*)亀並みに更新がんばっていきますね！また続き楽しみにしててください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: c45874ae09 (このIDを非表示/違反報告)
スイ - 続きが凄い気になる………更新頑張って下さい！ (2018年12月5日 20時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊妃葵*わたなべひなた | 作成日時：2018年12月4日 22時
