20話 ページ21
Aside
「あっ、貴方は…！」
ララとクレープを食べながら歩いていたとき。
VDCのスタッフの男の人が、私に声をかけてきた。
『はい？』
「貴方は…。A・キリアちゃん、ですよね？」
『えっ』
さっきと同じ状況に、思わずクレープを落としそうになった。
そんな私を庇うかのように、ララが前に出る。
「あの、そーゆーのはお断りなんで！！Aのプライベートを邪魔しないでください！」
…さすがララ。強い。
ていうか私がA・キリアだって隠す気ないのね。いいんだけどさ。
ララに一喝されてしまったスタッフのお兄さんは、困ったように眉をひそめた。
「ごめんごめん。決してそういうことではないんだ、誤解させてしまってすまないね」
「じゃあ何だって言うんですか？サインくださいとか？」
「違う違う。僕は見ての通り、ヴィルくんやネージュくんの参加するVDCのスタッフだよ」
”ヴィルくんやネージュくん”というワードに、ピクリと反応してしまった。
するとそれに気づいたのか、お兄さんが言葉を続ける。
「Aちゃんって、二人と仲良いよね？」
『仲良いというか…。お二人にはいつもお世話になってます』
「そっか。ならさ＿＿＿＿
VDC本番前に、ヴィルくんとネージュくんに挨拶していかない？」
『えっ』
「はは、僕はこう見えても結構偉いスタッフなんだよ。貴方たちを本番前のステージに入れても怒られやしない。
二人も緊張してると思うしさ、知り合いのAちゃんが来てくれたら落ち着くよ、きっと」
『い、いいんですか…？』
「いいのいいの。お友達ちゃんも一緒にどうぞ」
「あたしはお友達ちゃんじゃなくてララ！」
「おっと失礼、失礼。ララちゃんもネージュくんたちに会ってみる？」
お兄さんはララに笑いかけて、訊いた。
その爽やかな笑顔にララは顔を真っ赤にして、うつむいてしまう。
「あ、あたしはいいです…。有名人と会うなんて緊張するし…」
「そっか。じゃあララちゃんは僕と待っていよう。セット内くらいなら案内できるよ」
「！ あ、ありがとうございます…っ」
さっきの強い態度が嘘みたいに、真っ赤になって話すララを見て、思わず笑みがこぼれる。
ララ、可愛いな。きっと、一目惚れなんだろう。
恋する女の子は可愛いって言うし。
＿＿＿＿じゃあ、私もちょっとは可愛くなれてるのかな…？
『…なってるといいな』
私はそう呟き、お兄さんとララと一緒にステージへと向かった。
…これから大事件が起きるだなんて知らずに。
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シャーペンの芯(プロフ) - 殿堂入り本当にありがとうございます…!!! (2021年6月14日 6時) (
レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 海月くらげさん» 素敵なコメントありがとうございます！ラプンツェルいいですよね！！(興奮)そして私の作品も好きだと言ってくれて本当に嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年4月21日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - なず@ヴィル様の旦那ですさん» マジです！(笑)これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年4月21日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
海月くらげ(プロフ) - 完結おめです!シャーペンの芯さんの作品もラプンツェルも好きなので、読むのがとても楽しかったです!これからも…作品楽しく読ませていただきますね!! (2021年4月21日 1時) (レス) id: 27709bd435 (このIDを非表示/違反報告)
なず@ヴィル様の旦那です(プロフ) - シャーペンの芯さん» えまじですか！？わああ嬉しいです！？ (2021年4月18日 14時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャーペンの芯 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syapennosin/
作成日時：2021年2月12日 17時
