ある写真家の詩

Reunion ページ2

この場所は大きく変わっていた 自分が通っていた変な名前の定食屋は別の店になり 空き地には大きい家が建っていた だがこの町は本当に変わることを望んでいたのだろうか

そう考えていた時俺の友人とその子供に会った その子はもうすぐ小学生になるらしい
元気いっぱいで笑顔の絶えない明るい子だ 母親とよく似ている

父親は前と比べてかなり大人びていた あの時の不良なキャラはどこに行ったのか 少し寂しかった

母親の姿が見えなかった 買い物にでも行ったのだろうか
母親は何処かと聞いた すると子供はこう言った

自らの命を捧げて私に生を与えてくれた

察してしまった 言葉を失ってしまった 年甲斐もなく泣いてしまった
だが子供は母の死を恨んでいるわけでもなく自分を責めている訳でもなかった 強い子だと俺は子供の頭を撫でた

別れる直前俺は2人の姿をカメラに収めた 母親も写っていたような気がした

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