Prolog ページ1
A「お姉ちゃん!!行かないでぇ!!!」
今より少し、幼い私は暗闇の中で一人泣け叫ぶ。
私が追いかけるのは、大好きな姉の姿。
しかしその足音はどんどん遠ざかり、最後は闇に吸い込まれるように消えていく。
必死に走っても、右も左も、前も後ろも上も下も、見渡す限り、黒、黒、黒。
まるで墨汁の中を泳いでいるような、重い空気。
そのうち、自分がどこへ向かっているのかも、分からなくなってくる。
A「お姉ちゃん、置いてかないでよぉ…。」
どうすればいいのかわからなくなって、涙がぼろぼろこぼれ落ちる。
座り込んで泣いていると、どこからか「ズリ…ズリ…」と、何かを引きずるような音と、怪しげな音楽が聞こえてくる。
鼓膜を引っ掻くような、気持ちの悪い音。
ひひひ…
どこからか、笑い声も聞こえてきた。
その音たちが、どんどん自分に近づいてくる。
A「やだ…やだよ…来ないで…!」
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ぱちり
またこの夢かあ…
最近同じ夢ばかり見ている。
少し幼い私が、姉を追いかける夢。
その夢では決まって、あの何かを引きずるような音と、怪しげな音楽が聞こえてくる。
汗びっしょりで、少し寒い。
もう5時か…、どうせ学校だし、起きてシャワー浴びてこよ…
私は家族を起こさないように静かにベッドを降りた。
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ベアちん(プロフ) - むつきさん» コメントありがとうございます。ぜひ行ってあげてください笑 (2021年8月12日 18時) (レス) id: e1de9352a4 (このIDを非表示/違反報告)
むつき - 女子ABのとこに混ざろうかなw (2021年8月12日 10時) (レス) id: afe8b336e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベアちん | 作成日時:2021年3月7日 22時