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【日頃のご愛顧に感謝を込めて】煉獄の妻はとても強い【番外編】 ページ26

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夢主side


「お嬢さん、綺麗な顔してんねぇ」

「俺らとちょっと遊ばない?俺いいとこ知ってんだよ!」


はーい、そりゃはぐれたらこうなりますよねー。

旦那様…もとい杏寿郎さんが日用品関係で単独で入っている折、待ち時間中ついうっかり猫を追い掛けてこんな路地裏まで迷い込んでしまった。
畜生、なんと狡猾な猫だ…!(貴方が阿呆だからです)

しかし、まぁ……私とてこれ以上の失態は犯す気は無い。


相手は二人、見た所武器は無し。
路地裏は入り組んでおり、上手く逃げれば逃亡出来る可能性もある。
そして最も重要な点は……相手が私を、唯の非力な女と舐め腐っているところ。



……なぁんだ、雑魚じゃないか。




しかし、此方から何かする事はしない。

こういうのは仕掛けた方が負ける。
臨機応変は大切だが、生憎とも体力が勿体ない。
まぁ、無闇に手出しさえしなければ……。


「ほら、早く行こーぜ!」



『私に触るな、下衆が』





「は、……グゥッ?!」


……こんな風に、見事に土を舐める事にならなかったんですがねぇ?

護身術の一種で、手首を掴む手を返しそのままひっくり返したのだ。
任務の合間に杏寿郎さんに教えて貰った時期があった。
流石に鬼に遭遇する危険性は限りなく少ないとはいえ、覚えていて損は無い。


『ほらほら、どうしたんです?さっさと立たないと、継ぎ接ぎだらけの素敵な着物が汚れてしまいますよ?』

「ッ……テメェ!!」

頭に血が昇り、動きが鈍っている。

起き上がった男が放ってきた拳を、手首に手を添えることでいなす。
戦いにおいて、先に感情を乱した方が不利になる。
いかに不動の水面の如く感情を保っていられるかが剣士の鍵となる、とは彼の教えだ。

……ありがとう、杏寿郎さん。


『貴方の教え、役に立ちましたよ』

「ッ?!」

トンッ、と。

拳が私の身体を逃がし、そのまま前のめりになったところを容赦なく手刀を落とした。
そのままズシャァッと崩れ落ちる身体。
す、ともう一人を見吸えれば明らかに闘気を失った様子。


「ッ、何だよお前はァ?!」

『おや、最初から私を無力な女として舐めて掛かっていたのでは?侮っていた相手に為す術なくやられるなど悔しいですねぇ。

……お仲間を連れて去りなさい、次はありませんよ』

「ヒ、ヒィ……ッ!!」



完全に失神した仲間を連れ去っていく姿を完全に見送り、そしてため息をついた。

『まさか、使う事になるとは……』


しかし、これで私も煉獄の妻を名乗るに相応しい女となれたのだろうか。

【番外編の】夢主の戦闘力について【裏話的な】→←弐拾.煉獄の妻



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作者名:朝霧 アテネ | 作成日時:2022年8月23日 23時

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