【35話】偶然と必然。 ページ43
side無し
……どうしてあんな事をしてしまったんだろうか。
あの後、図書館から出た二人。
適当にブラ付きながら、地図を見る両者の間には気まずい沈黙が流れていた。
フ・『｢………………。｣』
刺々しくは無いが、あまり良い物では無い。
さながら泥のような雰囲気がーー二人の間を漂っていた。
因みに図書館を出てから此処に至るまで二人は終始無言である。
この空気に早々に耐えられなくなったのは、我慢が嫌いなフロイドであった。
ピタ、とシエルの一歩前を歩いていた足を止め。
クル、と振り向いた視界に写ったシエルは怒っているような困っているような張り詰めた表情をしていた。
眉毛をキュッと寄せ、横の方に視線を逸らしながら気まずそうにしながら牙が生え揃う口を開いた。
フ｢あのさ先輩、オレ─────｣
言い切るが、早いか。
唐突に、ぐらりと揺れる常人より高い視界。
眼前に迫るのは、シエルの緊迫した顔。
パーカーの胸倉を掴まれて引き寄せられた────
そう理解出来たのは、既に柔らかい唇が一瞬触れて離れた直後の事で。
『……れで、』
フ｢え？｣
『これで、チャラですね。
紛れもなく、僕の意思です。
だからーー偶然なんて、もう言いません』
だから、これで、おあいこです。
言葉は毅然、声色は冷静。
けれどもーー羞恥心だけは、どうにも誤魔化しきれなかったようで。
茹でダコのようだ。
フロイド独特の表現を体現したように、シエルの顔は真っ赤に染まっていた。
自分がした行いに理解が追いつかないようだ。
少し膜が張った緑眼が、ゆらりゆらりとあちらこちらへと視線を投げ掛けていた。
フ｢……シエル、先輩｣
───愛おしい
胸の内に湧いたそんな感情に突き動かされるようにして、ゆらりとシエルに向けて距離を詰めーー。
『…っ』
キスされるかと思ってギュッと目をつぶったシエルを他所に、ぽふっと腕の中に閉じ込めた。
パチ、と緑眼が大きく見開かれる。
フ｢ーーアハ、キスされるかと思った？
ざーんねん、外れでしたぁ｣
『っ……！』
頬を包んで、にっこり笑う。
…少しでも、期待してしまった
『〜〜っ！』
ドン、と少し強めに胸を叩いた。
こうなりゃもうヤケである。
『ーーあぁもう、今日はとことん遊ぶんでしょう？！ほら行きますよ、迷子にならないで下さいね！！』
出発の時とは真逆。
シエルが、フロイドの手を引っ張ってーー。
フ｢──はぁい、人魚姫♡｣
フロイドもそれに応えて、確かに笑ったのだった。
【36話】ユウちゃん(オタク)への供給。→←【34話】溺れるようなキスをした。
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シアン・ローズ（別アカ） - サンズに勝てる････････ライトセーバー買おうかな････････あと更新頑張って下さい！ (2022年10月25日 20時) (
レス) @page25 id: 215c26ef03 (このIDを非表示/違反報告)
菊乃(プロフ) - 愛菜さん» (*- -)(*_ _)ペコリ (2022年2月22日 12時) (レス) @page18 id: d0b76ddb34 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - いえいえ！自分も一瞬気づかなかったです笑 (2022年2月22日 12時) (レス) id: b3d1c81104 (このIDを非表示/違反報告)
菊乃(プロフ) - 愛菜さん» ｱｯすいません書き忘れです！修正してきます(´・ω・｀) (2022年2月22日 12時) (レス) id: d0b76ddb34 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - 男主君の各キャラの呼び方の所の二年生の所にシルバーが居なかったんですけど書き忘れですか？ (2022年2月22日 11時) (レス) @page9 id: b3d1c81104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菊乃 | 作成日時：2022年2月20日 21時
