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さあ、困った。
まるで話ができない。
仏の顔も三度まで。優しいラウールの堪忍袋も尾がそろそろ切れそうになっていた。
そのことに気づかないAは、
掴まれたままの腕を振り払うと、再び音楽をかけ直そうと手を伸ばした。
…が、その手を今度は目黒に阻まれた。
「だめ。そんなにイライラしてる状況で練習はさせない。」
「はぁ？」
目黒は先輩。
先輩に対して「はあ？」とは、いくら腹の虫が悪くても許されない。
いい度胸である。
それをスルーして、目黒は話を続ける。
「怒られないからって八つ当たりしすぎ。ラウールもずっと困ってるよ？」
それを聞き、Aは不機嫌そうな顔を一層濃くした。
そして、ラウールをチラッと見ると、チッと舌打ちした。
表情と態度が、『お前余計なこと言っただろ』と言っている。
言葉に出されなかったそれに気づいてしまったラウールは怒り浸透。
「ふざけんなよ、なんで俺なんだよ！！」
耐えかねたラウールは珍しく声を荒げた。
そして次の言葉を発そうとした、その瞬間。
ばちぃぃぃん！！！！
「…？！！？」
目黒がAの腰を抱えて、そのお尻目掛けて手を思いっきり振り下ろしたのだ。
感覚的にはコンマ1秒。
フリーズするAをよそに、
今度は部屋の隅から椅子を手繰り寄せると座って、膝の上に引き倒してしまった。
Aが我に返った頃には“いつもの体勢”だった。
ウエストに手がかかったのを感じて、慌ててズボンを押さえた。
「まってっ、離してっ、！」
「待たないし、離さない」
「…なんっ、待ってっ、、！！」
抵抗も束の間。
力で劣る上、体勢も不利な状況で、ズボンを死守していた右手はいとも簡単に腰に押さえられてしまった。
「口で注意するだけじゃダメなんだね、Aは。」
ぱちぃぃぃんっ！！！！
「さいっあくっ、、！」
「その態度も治らないと終わんないから」
ばちぃぃぃぃんっ！！！！！
「痛ぁ〜っ！！！」
静かになった部屋に目黒の低い声が響く。
それを聞けば、大体の人が「まずいかも」と思って態度を変えるのだろうが、今のAは違う。
少し怯みはしても、言うことすぐに聞けるほど素直ではない。
Aが後ろをくるっと向いて、目黒を睨むも、もう目は合わなかった。
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瞳(プロフ) - 更新ありがとうございます⭐︎心配してました^_^皆そうさんの小説好きなんですね⭐︎ (3月6日 13時) (
レス) id: f18ac5488a (このIDを非表示/違反報告)
そう(プロフ) - 瞳さん» ありがとうございます〜 これからもよろしくお願いします╰(*´︶`*)╯ (3月5日 22時) (レス) id: 9450fde163 (このIDを非表示/違反報告)
そう(プロフ) - Rさん» こちらこそありがとうございます❤︎ (3月5日 22時) (レス) @page7 id: 9450fde163 (このIDを非表示/違反報告)
瞳(プロフ) - 移行おめでとうございます⭐︎ (2月19日 3時) (レス) id: f18ac5488a (このIDを非表示/違反報告)
R - 更新ありがとうございます！とっても嬉しいです！！ (2月19日 0時) (レス) @page1 id: 145417aa36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そう | 作成日時：2024年2月18日 22時
