ハッピーシンセサイザ３【マサイ】 (ページ38)

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シルクside ページ38

シルクside

「わたしは音楽しか特技ないから
マサイとぺけとダホちゃんと頑張るよ」

Aとマサイに見送られ、
モトキと一緒に近所の居酒屋に来た。

「あのコンビやべぇな」

モ「変な方向に暴走してなくて良かったけどな」

「…俺らの事かなり考えてくれてたんだな」

フィッシャーズのため、俺のためのコンビ結成
いつも２人に支えられて、助けられてきた。

大学や動画撮影で忙しい俺に変わり、
たくさんの物事を進めてくれる２人。

今回のドッキリには驚かされたが
蓋を開ければやっぱりフィッシャーズの為だ。

モ「やっぱりAは頭がいいよな。アホだけど」

「もう今月で卒業だろ？」

モ「あの忙しさでよく卒業出来たもんだよな」

「本当だよ。俺らにはまだ卒論が控えてんのに」

モ「Aの卒論知ってるか？」

「知らん。ぶっ飛んでんのか？」

モ「〝アイドル界とYouTube界の闇と未来〟だってさ」

「やっぱりぶっ飛んでるな」

見たいけど、多分見ちゃダメなやつだ。

モ「…みんなそろそろ就活だな」

今のところフィッシャーズの専業希望は
俺、マサイ、Aの３人だけだ。
事務所に所属してもまだみんな不安があるのだろう。

Aから前にきたラインが思い浮かぶ。

好きなこと、やりたい事を全力でやって
死ぬまで笑って生きることが夢。

Aにはそれができるだけの基盤がある
…１０代後半の青春を犠牲にして作った貯金も

モトキはAの言うことに惹かれつつも
決心ができないのだろうと思える。

「春休みの旅行が終わったら、
これから先のことを話す機会を作ろうぜ」

モ「あぁ。Aの初めての旅行だもんな。
まずは楽しんでから先のことを考えよう」

「…ちなみにモトキの配役は？」

モ「マサイと同室の生徒Ａ」

俺は怖い学年主任らしい。