ンダホside ページ36
ンダホside
会場のステージ上でAが
一曲目のアップテンポな曲を歌っているのを
ぺけたんと一緒に、バックモニターで見ている。
「俺らに惚れられたことないってさ?」
ぺ「モトキ以外ほぼ陥落してたっての」
「…シルクも?」
ぺ「幼稚園の時な。入学の時には兄ポジだったけど」
「シルクはマセてんなぁ」
ぺ「ダーマはツンツンしながらもAに優しかったし
ザカオはほぼ一目惚れだったと思う」
俺もぺけたんもAのことを好きだった。
Aがアイドルになるまで、
チャンスを伺っていた時期がある。
「Aはマサイしか見てなかったけどな」
誰がどう見てもマサイに惚れてるA
気付かなかったのは鈍感なマサイだけだ。
その恋心を利用するように、
恋バナ公園に呼び出して、相談に乗りながら
Aと2人きりの時間を作ってた。
ぺ「Aがアイドルにならなかったら、
どうなってたか考えたことある?」
何度もある。今のこの友情は奇跡的だ。
「Aの事で牽制しあってフィッシャーズはバラバラ
Aは責任感じて俺らには会わなかっただろうな」
今のフィッシャーズの関係を尊いものだと思える。
ぺ「もう俺らも仲間としてAを見れてるし
これからそんな心配はないと思うけどな」
「だな。俺らも可愛い彼女作ろうぜ」
2人でモニター上のAを見つめる。
好きだった。もう過去形だ。
離れている間に別の人に恋をして、
Aを本当の仲間として受け入れられた。
ぺ「Aが俺らの音楽を信じてくれてる」
「かっこいいとこ見せたいよな」
モニターのAが最後の曲を歌い始める。
「そろそろいくか」
シルク達がいるのと反対側の袖から
Aの恋愛曲を初めて聞いた。
歌詞に込められたマサイへの思い。
感情を歌に乗せ涙ぐむAに引き込まれる。
「…鳥肌立った」
ぺ「もうマサイの彼女になってて良かったぁ。
また惚れるところだった」
「…俺も」
歌い終わったAが俺らに目で合図を送ってくる。
「よし、Aの期待に応えるぞ」
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作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月16日 17時