マサイside ページ35
マサイside
ライブコーナーになり、
モトキとシルクとザカオと共に、
袖からその光景を見る。
スタッフが客席近くでカメラを回しているから、
俺は裏側のカメラマンとして
手持ちのビデオカメラを回す。
「最後の曲はアルバムの収録曲から
牘Ω瓩魏里錣擦討い燭世ます。」
音響からピアノの前奏が流れ、
Aの顔がふっと切り替わる。
ステージの照明に照らされて
Aがキラキラと光って見える。
この歌は何度聞いても感情を揺さぶられる。
この感覚をエモいと言うのだろう。
俺の右肩で泣き噦るAを思い出す。
あの頃は釣り合わないと思った。
他の人と幸せになるのを受け入れるつもりだった。
今はもう、Aを離してやるつもりなんてない。
釣り合わないのなら釣り合う所まで登り詰めればいい。
歌詞に感情を込め、涙を浮かべるAに
俺も、メンバーも、観客も引き込まれる。
そろそろ曲が終わる。
軽く目尻を拭い、ビデオカメラをシルクたちに向ける。
シ「おい、そろそろ抽選コーナーなのにぺけとダホがいねぇ」
「俺がいいって言うまでシルクたちはここで待機だ」
間抜けな表情のシルクたちをカメラの枠内に納め、
ステージにいるAに視線を送る。
「ご静聴、ありがとうございました。
先ほど最後の曲と言いましたが、あと一曲だけ、
お付き合いいただければと思います。」
反対側の袖からンダホとぺけたんが登場する。
「最後の曲は、この2人に歌ってもらいます。
作詞はダホちゃん。作曲と編曲はわたしとマサイです。
2人が練習を重ね、今日はじめて披露します!」
ン「それでは」
ぺ「聞いてください!」
「「「チャンピオンロード!」」」
力強いメロディーが流れはじめ、観客が盛り上がる。
Aはそのままステージで手拍子をしている。
シ「…おい。なんだこれは?」
モ「ちょっとさ〜。俺リアクション苦手なんだよ」
ザ「すげぇかっけぇな」
ビデオカメラの枠内で
それぞれ別のリアクションをしてくれる。
これは撮れ高が期待できる。
マ「よし、みんなこのままステージで盛り上げるぞ!」
顔を切り替えたシルクを先頭にステージに乱入し、
会場を盛り上げる。
Aと一緒に企み、約半年かけたメンバーへのドッキリ。
多分大成功と言えるだろう。
61人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月16日 17時