・ ページ3
今日はわたしの21才の誕生日当日。
マサイからは日付が変わってすぐ連絡きたけど、
シルクは覚えてはいないだろう。
「ん???」
案の定思い当たらない顔をしたタラコ唇さん。
「俺はもちろん覚えてる。おめでとA」
「ありがとう。マサイはちゃんとラインくれたよね。でも直接言ってもらえて嬉しい」
「直接言ったの何年振りだろうな?」
「中3が最後だから6年とかかな?まあその時も誰かさんは忘れてたんだけど」
「あ、今日ちゃんとプレゼント持ってきた。誕生日忘れてる誰かと違って」
「嬉しい!わたし、今日その誰かさんから電話来た時ね、誕生日についてだと思ってたの。違ったけど」
ちくちくと嫌味を言う。マサイも乗ってくれる。
誰かさんは居心地が悪そうだ。
「…お誕生日おめでとうございます。あの、何かプレゼントのリクエストありますか?」
「 …じゃああとで一個お願い聞いて?」
「かしこまりました」
「 敬語かよ。あ、これが俺からのプレゼント2年分な」
前回のプレゼント交換の時に、
リクエストが思いつかなくて先延ばしになってしまったからだろう。
きちんと包装されたプレゼントを手渡される。
「ありがとう。開けてみていい?」
「もちろん」と返されるとわたしは包装紙を丁寧に開けていく。
「デジカメだ!」
マサイの事だからきっと入念に下調べした上で選んでくれたのだろう。
「これからまたみんなの思い出撮れるかなって思って」
「いや、お前イケメンすぎかよ」
「…嬉しい。大事にするね」
「おう。…それよりこの家めっちゃいいな。明るい」
「俺も思った。何より広いし」
わたしの新居を眺めながら2人が言う。
「まだまだ空き部屋あるみたいだし、2人もここにすれば?そんなに高くないよ?」
アイドルを卒業したら収入が安定しない可能性もあるから、そこまで高い物件は選ばなかった。
「…いいかもな。Aに何かあったらすぐ駆けつけられるし、モトキが安心しそうだ」
「そこかよ。 …でも俺とマサイが同じマンションってのはこれから先を考えるといいかもしれないな」
「前向きに検討してみて!わたしも2人が近くにいたら安心する」
「おう。…そろそろ帰るかな〜」
「あ、さっきのお願いのやつ忘れてない?」
「なんなりとお申し付け下さい」
「マサイを置いて1人で帰ってくれる?」
61人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月16日 17時