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マサイの婚約者になった2日後。


初めてのフィッシャーズとの旅行。
楽しみすぎて、昨日の夜は全然眠れなかった。


朝から旅行鞄の中身のチェックを入念にし、
ラフな格好に着替え、ストレッチをしながら
出発時刻を待つ。

「…おい、いつ起きたんだ?」

背後から婚約者の低い声がする。
寝てないと言ったら怒られそうだ。

「いまさっき」と振り向かないまま答える。

「嘘つけ、準備万端じゃねーか」

あ、怒ってるって言うより、呆れてるっぽい。
マサイの方に向き直り、土下座に近い体制をとる。

「ごめんなさい」

「…体調は?」とマサイがわたしのおでこを触る。

昨日はグミも食べてないし、張り切ってもない。

「大丈夫!すっごく元気…ぃたっ」
熱を確かめたマサイにデコピンをされたらしい。
すっごく意地悪な顔で笑ってる。

「いじわる」

「ちゃんと寝ないAが悪い」

「早くマサイも支度して行こうよー」

「…まだ集合時間まで2時間もあるだろ?」

「…じゃあどっかでお洒落なモーニングしよ?」

芸能界を引退して、堂々と外に出れるようになった。
YouTubeをやってるから一般人ではないけど
マサイとの付き合いも先に公表したし、
週刊誌に撮られることもない。

色んなシチュエーションのデートを
結婚するまでの間にいっぱいしたい。

軽くため息をついたマサイが支度を始めたので
わたしも軽くメイクし、髪を緩くポニーテールにする。

今日は歯型もマーキングもついてない。
…見えるとこには。

身支度を整えたマサイが脱衣所から戻ってくると
2人で荷物の最終チェックをする。

二泊三日の旅で、しかも近場だけど
動画を撮るから機材がいっぱい必要だ。

「ちゃんと旅行のしおりもった?」

「…あるのか?」

「わたしの心の中にね」

「Aを持ってけばいいのか?」

「そのリュックの中には入らないと思う」

大きめのリュックだけど、わたしが入ったら
他の荷物が入らなくなっちゃいそうだ。

「はいはい。よし、こっちは大丈夫。Aは?」

「大丈夫!早く行こ」

急かすようにマサイの背中を押して玄関から出ると
腕を組んで歩き出す。

「あ、マサイの班の人にこれ渡しといて」

「ん?あぁAのデジカメか」

「マサイの写真いっぱい撮ってねって伝えて」

首から一眼のカメラがぶら下がってるけど、
自分の写真はあまり撮らないだろう。

「それ俺が自分で言うのか?」

シルクside→←マサイside



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設定タグ:マサイ , フィッシャーズ , Fischer's   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月16日 17時

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