恋人の関係１：今市隆二 (ページ19)

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信号が赤になる度、もどかしさが募る。

早くAに触れたい。

また赤信号に引っかかる。

「A。」

呼ばれて少し体を俺の方へ近づけるA。

そのまま引き寄せてキスをした。

『りゅ、隆二？！』

突然のキスに、焦っている。

「ごめん、我慢できなくて。」

『もうちょっとやから、なっ。』

Aの言いたいことはわかるんだけど、今の俺は我慢がきかない。

ようやく青信号に変わって、車を動かす。

その後は、信号に引っかからずマンションまで辿り着けた。

地下駐車場に停車させ、降りようとしたAをシートごと押し倒す。

一瞬驚きで大きく見開かれた目が、すぐに優しく細められる。

伸びてきたAの両手が、俺の頬を包み込む。

『私には、隆二だけやから。』

真っ直ぐ見つめてくる瞳。

「んっ。」

隠してもバレてるっぽいな、きっと俺の不安な気持ちなんて。

『泣いたら、あかんよ(笑)』

ふふっと笑うA。

「･･･泣かないし。」

なんて強がってみるが、泣きそう。

「俺も、Aだけ。」

優しく見つめ返したら、キラキラした瞳の中に俺が映り込んでいた。

この先も、ずっと俺を映し続けてほしい。

そんな願いを込めて、Aにキスをした。