二人の関係１：今市隆二 (ページ22)

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幸せやなぁって感じながら、朝ごはんの準備するんいつ振りやろ。

料理を食べる度に「美味しい」って言うてくれる、隆二。

もりもり食べている姿が微笑ましくて、笑みがこぼれる。

こんな日が、ずっと続くとええのになぁ。

今目の前にいる隆二は、私だけの恋人。

一歩外へ出てしまえば、大勢ファンがいる三代目の今市隆二。

きっと雪村さんも、悩んだんやろなぁ。隆二に言えへんこともあったやろうし。

「A、食べないの？具合悪い？」

私の箸が止まっていることに気づいた隆二が、心配そうに聞いてくる。

つい、考え込んでしもた。あかん、あかん。余計なこと考えても無駄なだけや。

いつまで続くかなんて先のことを考えるのは、やめとこう。

『美味しそうに食べてくれるのを見てるだけで、お腹がいっぱいになってしもたんよね。』

「美味しそうじゃなくて、美味しいの！毎日食べたいもん。」

その後も食べるペースを落とすことなく、きれいに平らげてくれた隆二。

食後の片づけも二人でやって、ソファーでのんびりと寛いでいる私たち。

隆二の肩に頭を預けて、ボーっとテレビを見ていた。

「ねぇ、A。」

『ん～？』

「俺、ファンの皆が大事なんだよね。」

『うん。それ、当たり前やん。大事にせんかったら、罰(ﾊﾞﾁ)当たるで。』

「ごめんなさいって思いながら、ついAのこと考えちゃうんだ。いつどこに居ても。」

『罰当たりなやな。』

「一緒に、罰当たってくれる？」

『え～、それは嫌やわ。一人でどうぞ。』

「俺ら、もう一蓮托生でしょ？」

『ちょっと、早まったかなぁ･･･んっ！』

突然のキス。何度も角度を変えては、繰り返されるキス。

『なんっ、りゅ・・・じ？』

「すき･･･大好き、んっ･・A･･･。」

だんだん深くなっていくキス。

絡めとられた舌を吸い上げられたり、口内を蹂躙する隆二の舌に翻弄される。

体をソファーに倒されて、隆二に組み敷かれる。

上着に羽織っていたパーカーのチャックが下げられて、着ていたシャツの中へ入り込んできた隆二の指の冷たさに、ぽーっとなっていた意識が戻ってくる。