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彼の勇気 ページ18

今日は仕事にならなくて、定時で帰宅した。

リビングのソファーに倒れこんだ。

思い出すのは今市隆二とのキス。

キスが、あんなに気持ちいいものだとは思わなかった。

癖になるというか、病みつきになりそうというか・・・。


「いやいや、うっかり流されてる場合ちゃうし。」


よしっと気合を入れて起き上がり、晩ごはんの準備を始めた。

完成した料理を盛り付けていたら、インターホンが鳴る。

モニーターに映る怪しい人。誰、この人?

携帯が鳴り、確認すると今市隆二からだった。


「もしもし、今市です。開けてください。」


レンズに向かって、わざわざ帽子とマスクを外して顔を見せてくれた。


『今、開けるわ。』


慌てて玄関の鍵を開け、チェーンを外した。

ゆっくりドアを開けると、どこか緊張した面持ちの今市隆二が立っていた。


「急に来て、ごめんね。入ってもいい?」

『それは、かまへんけど。なんか、あったん?』

「んー。まぁ、その。」


どうも様子が、変やねんなぁ。落ち着きないし、チラチラこっち見てくるし。

何かあったんかって聞いても、「んー。まぁ。」ばっかりやし。


『なぁ、今市隆二。』

「ん?」

『パーティー、ほんまに出席でええの?』

「出るよ、ちゃんと。お祝いしたいから。」


優しい顔をして笑う、今市隆二。


『そりゃ、好きな人の幸せやもんね。』

「違うよ。好きだった人の幸せだから。」

『へぇ〜、好きだった人ねぇ。過去形で言える様になったんや。』

「もっと引きずるかと思ったんだけどね。案外、大丈夫だった。」

『よかったやん。』


笑いかけると、ふいっと目を反らされた。え、なんで?


「今は、別のことで頭がいっぱいで、困ってる。」

『そうなん、なんかあったん?』

「・・・Aのせいだよ。」

『はっ?なんで?』

「なんで?って言われても。好きになっちゃったから。」

『えっ?』


ぐぅ〜。間抜けな音が、聞こえてきた。


「お腹空いちゃって。部屋の中、いい匂いしてるし我慢できなかった。」

『晩ごはん、食べてく?』

「準備、手伝うよ。」

『ありがとう、助かるわ。ちゃちゃっと、準備して食べよ。』



その後、ご飯を食べて帰って行った今市隆二。

なんか、無駄にドキドキさせられてしもたやん。

あのタイミングでお腹が鳴るって、今市隆二らしいわ。

一人思い出して、笑ってしまう。

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設定タグ:今市隆二 , 三代目JSoulBrothers , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2016年10月17日 3時

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