FiNAL EXiT〜Connecting the DOTS〜

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「……はい？」

「いや、あのあといなくなっちゃったから大丈夫だったかなって気になってたんですよ」


できるだけ穏やかに、圧をかけないような声音をこころがけた。

怖がらせてはいけない。広臣はなぜかそう思った。なぜだろう、あんなことをするひとなのに。ふいに泡を吹き出しているボトルが思い浮かぶ。


女性は視線を泳がせたあと、「大丈夫です」とささやくような声で言ってから、ワイングラスを手に戻ってきた壱馬に「あの、お会計、お願いします」と声をかけてバッグを取り上げた。





せっかく会えたのに





腰をあげて「いやいやちょっと待って」と話を続けようとしたけれど、女性はお金をカウンターに置くと足早に出て行ってしまった。


壱馬が「え、あ、おつり……」とつぶやいたと同時にぱたんとドアが閉まった。


思わず広臣と壱馬は顔を見合わせた。


「今日は話したくないって感じですね」

「彼女、よく来てる？」

「まぁ時々……ですかね」

「いつもあんな？」

「……どうっすかねぇ」


広臣の前にワイングラスを置くと、うつむいて再びアイスピックを手に取る壱馬。



ったくどいつもこいつも。

広臣はどすんと腰をおろす。

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