別れても別れても、すきな人【JSB】

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「そもそも、どうして知ってたわけ？アイツ、休暇中でしょ。」


優菜さんが、疑問を口にする
確かに言われてみれば、おかしい
社内にいなかったのに俺たちが倉庫にいたことも知っていたし、SNSに載っていた隠し撮りだって今日のAちゃんだった


「誰かが、アイツに協力していたってことじゃないですか。」


拓実が、怖いことを言い出す



「だって、おかしいと思いません？Aさんが異動した途端、アイツが大胆に動き始めたし。」

「確かに。Aさんが一人で行動している時の出現率、高めだったかも。」

「でしょ。普通、ありえます？そう何度もの偶然って。」

「ないない。ありえないから。」

「ということはAさんのスケジュールを把握していて、且つ行動を制限出来る人。」

「それって、撮影部の誰かってこと？」

「だと思います。」


拓実に質問した佐倉ちゃんの顔が、険しくなる


「ねぇ、拓実。」

「はい。」

「あんたは、誰だって言いたいの？」


口を挟まず二人の会話を聞いていた優菜さん
焦れったい拓実に痺れを切らして、先を促す


「尾条(おじょう)チーフとか。」


尾条チーフ・・・、ありえるかも


「岩ちゃん、心当たりあるの？」


隣に座る隆二さんが、こそっと話し掛けてきた


「こ、心当たりですか？！」


出てしまった大きな声に、皆の視線が向けられる

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