別れても別れても、すきな人【JSB】

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「この方は、どなたでしょうか。」


髪で顔が隠れて、正体不明


「え〜っと、・・・わかんない。」

「は？」


怖い、怖い、何を言い出すねん
道端の何かを持ち帰りとワケがちゃうし


「勘弁して下さい。」

「だって、」

「だって、じゃありません。」


ソファーに寝かせた女の髪をかきあげ、顔を確認する


「あっ。」

「知ってる人？」


知ってるも何も、うちの社員やん


「誰？」

「苗字忘れたけど、私と同じ名前やった気がする。」


ちょっと安心して、ガードを緩める


「知らない。俺、会ったことある？」

「あるはずやって。ほら、最近入ったばっかりの。ベテラン内林さんの後ろをついて回ってたやん。あー、何て苗字やったかなぁ。三条？四条？うーん、思いだせへん。」


まじまじと顔を眺めていたら、パチッと目を覚ました


「い、いわ、岩田さんは、無事でありますか！」


ガバッと体を起こし、いきなり叫ぶ


「はい、無事であります！！」


勢いよく右手を上げて、大声で返事する岩田


「あ〜、良かったぁ。」


ホッとしているところ悪いねんけど、状況が全く読めん


「ところで、ここはどこでありますか？」


不安そうな顔して、キョロキョロ辺りを見ている


「もしかして、岩田さんのお宅でありますか？」

「違うよ、こちらの華村さん宅であります。」

「こんばんは。」

「え、華村さん！うわっ、・・・いてててっ。」


私の存在に気づいて驚き、ソファーから滑り落ちた

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