4U 〜another version〜

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2004spring



大学に入って入学式を終えたあとの最初のイベントは、サークルの新入生歓迎会だった。


長く苦しめられてきた受験勉強からどうにか解放されて、さてこれからどんな風に過ごそうとうきうきしている新入生にとって目の覚めるような派手なイベントだった。



きれいな先輩たちがテニスウェアを着て歌ったり、ガタイのいい先輩たちが校歌を歌いながらスクラムを組んだりと、キャンパスライフは派手で華やかという印象をいやでもたたき込まれる。


そんななかでも一番の目玉はやはりダンスサークルだった。


代々強豪と呼ばれていたという触れ込みのダンスサークルの発表がトリだった。ダンスなどというものにうまれてこのかたほぼ触れることもなく、興味のなかったわたしの目がひとりの男性に釘付けになった。


大勢で踊っているのに、不思議に彼にばかり目が引きつけられた。


それは他の新入生たちも同じだったらしい。



飛び散る汗すらも素敵に見えた。


なにより、とても楽しそうだった。

重力なんてこのひとにはないのではないかと思うほどの軽やかな動き。


口々に「岩田〜！」「岩ちゃん！」と声援がとぶ。



わたしの知らない世界がここにある、そう思った。



そしてわたしはダンスのダの字も知らないくせに、そのダンスサークルの入会名簿に同じクラスの郁美とともに名前を書き込んでいた。

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