33 ページ33
そんなことを考えていたら、またゆっくりとその腕の中に包み込まれた。
「A。オレの彼女になって」
かたまるわたしに先輩はあははと笑った。
ひとの、男性の声がこの位置から耳にダイレクトに伝わってくるのははじめての経験だった。
「うん、は? ほら、うんて言って。……よし。まぁこんなことベッドのなかで抱きしめながら言うのもなんだけど。でもまぁなにもしてないし? まだ。そ、まだ、ね。まぁそっちはおいおい、ね」
あまりの恥ずかしさにわたしはひぇぇと叫んで毛布で顔を隠した。
わたしの人生ではじめて恋人ができた朝だった。
わたしたちは手をつないで眠った。
後日、郁美に報告しながら「わたしね、ぽんちゃんって呼ばれてたんだって。めっちゃかわいくない? ぽんちゃんって」と言うと「え、時々そう呼ばれてたの、気づかなかったの? マジで? みんな知ってたよ。……ホント、Aってのんきだよねぇ……」とあきれた顔をしていた。
そしてそのあとハッとしたように「それにしても! Aがあの神、岩田先輩の彼女とはね〜〜〜! もう! でかした! でかしたよA!」
そう言ってわたしの頭をぐちゃぐちゃにかきまわしたあと、郁美はきゃーと叫んでわたしを抱きしめた。
383人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
happysmile2015(プロフ) - ともさん» なかなかチャレンジングなお話になりましたが、読んでくださってありがとう! (2020年4月25日 13時) (レス) id: 6b4342454b (このIDを非表示/違反報告)
happysmile2015(プロフ) - ユキさん» パジャマパーティか…。最近の流れでいくと直己さん!断然直己さんです!深い話ができそう^^ (2020年4月25日 13時) (レス) id: 6b4342454b (このIDを非表示/違反報告)
happysmile2015(プロフ) - 曽根akiさん» ありがとうね。そして頑張ろうね。 (2020年4月25日 13時) (レス) id: 6b4342454b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 素敵なお話しありがとうございます!母は強しなんですよね!子供と一緒に成長していくんですよね!産まれてきてくれて選んでくれてママにしてくれてありがとうって思いますよね! (2020年4月21日 21時) (レス) id: d8c1577b42 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 1つ( ・ω・)∩シツモーンしますもしhappyさんがグッズのパジャマを着てパジャマパーティーするなら誰とパーティーしたいかな?私は岩ちゃんポメラニアンだね(*・∀・*) (2020年4月20日 23時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:happysmile2015 | 作成日時:2020年3月28日 12時