Room (ページ6)

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記憶ごと飲み干すようにページ6

「あれ、もう飲んじゃったの？一口、欲しかったのになぁ。」

隣に座って、甘えるように絡みついてきた腕や視線
可愛いなぁって思っとったこと全部が、嫌悪感にしかならへん

「萌花、別れよか。」

「・・・え、どうして？」

テーブルに、落ちていたモノを置く
するりと、解かれた腕

「健ちゃん、」

くだらん言い訳なんぞ、聞きたない

「俺の部屋にある萌花の荷物は、ここへ送っとくわ。ほな。」

シューズボックスの上に合鍵を返し、部屋を出た

「あっけない、終わりやった。」

エレベーターの扉が閉まりきる瞬間
前を横切っていく、岩ちゃん
きっとアレを取りに、戻って来たんやろな
顔合わせ、せんでよかったと一安心

「って、何でやねん。」

まるで、俺が間男みたいやんか
ひょっとして、今までも・・・

「あかん、あかん。」

一人やと、ロクな事考えへんわ
かけようと思っとった相手から着信

「聞いて欲しい話があるねん。とことん、俺につき合うてな。」

あの時は、「浴びるほど酒を飲む」の言葉通り飲みまくったなぁ

「臣ちゃんのせいやで、いらんこと思い出してしもたやんか。」

記憶ごと飲み干すように、手元の酒を煽った