検索窓
今日:8 hit、昨日:48 hit、合計:23,152 hit

拭いきれへん不安 ページ5

半年前の夏
単独イベントの仕事を終えて、翌日は休み
彼女とゆっくり過ごしたくて訪ねたマンション
エレベーターの扉が閉まりきる瞬間
前を横切った人物に、自分の目を疑う
今のって、岩ちゃん?


「まさかな。」


拭いきれへん不安を抱えたまま、俺は彼女の部屋へ


「萌花、ただいま〜。」


濡れた髪そのままで、バスルームから出て来た


「おかえり、健ちゃん。」

「風邪引くで。」


萌花の首元から奪ったタオルで、髪を拭いたる
慣れへんことは、するもんちゃうなぁ


「痛いよ、健ちゃん。優しくして。」


うなじに見つけた赤い痕
つい、拭く力が強くなってしもた


「すまん、すまん。早よ、乾かし。ビール、もらうな。」


キッチンへと急ぎ、冷蔵庫から取り出したビールをイッキに飲み干す
部屋に入った時から気になっとった、微かに匂う見知った香り
空いた缶をぐしゃっと握り潰し、足元のゴミ箱に投げ捨てた


「ふぅ〜。」


リビングのソファーに身を沈め、何気なく見たテーブルの下
落ちていたモノを拾い上げ、まさかが確信になる
もう、無理や

記憶ごと飲み干すように→←アイツにとっての浮気相手



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
118人がお気に入り
設定タグ:片岡直人 , 山下健二郎 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年5月7日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。